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ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

ビートルズの足跡を訪ねて~リヴァプールとロンドン一人旅日記~(その3)

ビートルズ・ストーリーは、彼らがデビューする前の音楽界の紹介から始まります。彼らがデビューする前の1950年代後半に、若者たちのハートを鷲掴みにしていた音楽と言えば、ロックンロールでした。エルヴィス・プレスリー、リトル・リチャード、チャック・ベリーがその頃すごい人気を誇っていました。因みにこの記事に掲載したミュージシャン達は、全員「ロックの殿堂」入りを果たしています。 

洋楽に関心のない方は、チャック・ベリーと言われてもピンとこないかもしれません。でも、彼の「ジョニー・B・ グッド」は、誰でも何度か耳にしたことがあるロックンロールの名曲です。「ゴー、ゴー!ゴー、ジョニー、ゴー、ゴー!」というサビが有名ですね。ハリウッド映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で主役のマイケル・J・フォックスが演奏してました。 

意外なことに、この曲は当時の日本ではそんなに有名じゃなかったんです。ところが、キャロル(矢沢永吉が所属していたロック・バンド)がステージで必ずこの曲を演奏したので、次第に日本でも知られるようになりました。 

このギターを弾いている男性がチャック・ベリーです。彼のギター・テクニックは抜群で、今でも動画サイトで観ることができます。彼のプレイの特徴は、乗ってくると左足をピンと真っ直ぐに跳ね上げて、右足でチョンチョンとホップしながらギターを弾くことです。いやあ、今観てもカッコイイですね。

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隣にはレイ・チャールズのポスターがあります。そう、ブルースの大御所です。サザンオールスターズの「いとしのエリー」を英語でカヴァーしたことでご存知の方も多いでしょう。その隣はリトル・リチャードです。彼の曲はビートルズもカヴァーしています。おそらく、デビュー前のビートルズに最も音楽的な影響を与えたのはチャック・ベリーエルヴィス・プレスリーでしょう。彼らは4人ともチャック・ベリーの曲が大好きで、彼らが初めて全員集まったときには、4人ともチャック・ベリーのレコードを持って来たそうです。 

次の写真は、クオリーバンク高校の頃のジョンと小学生の頃のポールです。ピントが甘くてすいません(^^ゞ ジョンは真ん中、ポールは左端に写っているのが本人です。ポールの右隣に写っているのは、弟のマイク・マッカートニーですね。f:id:abbeyroad0310:20150913173208j:plain

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ジョン・レノンは、学生の時に初めてアマチュア・ロックバンド「ブラック・ジャックス」を結成し、すぐにバンド名を「クオリーメン」に改名しました。この写真は、1957年7月6日にセントピーターズ教会のパーティー会場の野外ステージで、ジョン・レノンがライブで、ギターを弾きながら歌っている写真です。写真の前に置いてあるのは、ジョンが当時使っていたギターです。おそらく彼が大勢の人の前で演奏するシーンを最初に撮影した写真でしょう。アマチュア時代のバンド仲間は他にもたくさんいました。 

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共通の友人に連れられてポール・マッカートニーが見に来ていて、これがジョンとポールの初めての出会いになりました。まさに奇跡の出会いです。ジョンは、当時流行していたロックンロールをコピーしていたんですが、この頃のジョンは結構いい加減で、歌詞をマトモに覚えず、デタラメに歌っていたそうです(笑) 

例えば、その前年にヒットしたデル・ヴァイキングスの「Come And Go With Me」という曲を歌ったのですが、ポールは歌詞を全部記憶していたのですぐにデタラメであることに気づきました。原曲の歌詞では「come on an' go with me(僕と一緒に行こうよ)」となっているところを「down to the penitentiary(たどり着いたら刑務所)」なんてブルースっぽい歌詞に変えて歌ってたんです。しかも、ジョンが弾いていたのはギターのコードではなく、バンジョーのコードだったんです!(爆)そう、ギターの右隣においてあるのがそれですね。 

しかし、そのアグレッシブな演奏は、ポールの印象に強く残りました。だって、いくら学生のアマチュア・バンドとはいえ、大勢の人前で堂々とそんなデタラメな演奏をやれる時点で普通じゃないですから。普通だったら一生懸命正確にコピーしようとするのに、適当に歌詞を変えるなんて何なんだこいつは、でもそれがサマになってるからスゲーってな感じだったんでしょうね。逆に、ポールのヴォーカルとギターのテクニック、それに歌詞を完璧に覚えていることにジョンも感心し、ポールも誘われてこのバンドに参加することになります。 

実は、ジョンもポールも少年の頃に母親を亡くしているんです。そんな境遇が似ていることもあって、急速に二人の中は深まっていきました。因みにこの曲は「ビートルズ・アンソロジー」としてリリースされた、ドキュメンタリーDVDにも収められています(ただし、曲名は「Come Go With Me」となっています)。 

その後、ポールの紹介でジョージ・ハリスンがクオリーメンに加わることになります。当時、高度なテクニックが必要とされた「ローンチー」という曲を弾ける奴がいるんだとールがジョンに話したところ、ジョンが「そんな奴がいるわけがない。」と言ったので、ポールがジョンの目の前でジョージに弾かせて、そのテクニックを認めさせました。これで、メンバー3人が揃ったことになります。この曲も先ほど紹介したビートルズ・アンソロジー」の中に収められています。 

1994年にポール、ジョージ、リンゴの3人が集まってこの曲を演奏したシーンが記録されています。もう解散から24年も経っていて、過去のわだかまりもすっかり忘れて、みんなとても楽しそうですね。ここにジョンがいてくれればと思いますが、悲しいことにもうこの時点ですでに彼は神に召されていました。そしてこの数年後にジョージも…。


The Beatles - Raunchy(1994)

残るはあと1人と言うことになりますが、彼がメンバーとして加わるのはまだもう少し先のことになります。

 (続く)