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★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その32)〜 ビートルズとブライアン・エプスタインとの出会い(その2)

ビートルズ ポップス 洋楽

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レイモンド・ジョーンズに対するインタビューの続きです。
 
 
Q「なぜ、あなたは、これまで公けの場に出てビートルズの歴史について主張しようとしなかったんですか?伝記では、あなたは不確かな実在しない人物として描かれているのに、あなたがそれに対して沈黙を続けてきたのは疑問なんですが。」
 
A「私は、ボブ・ウーラーが企画した、リヴァプールでの一番最初のビートルズ・コンベンションに招待されたんです。でも、大勢の人前に出るのは自分の性格には合わないと感じ、その場で自分のプロフィールについては封印することにしました。
 
「何年か後に、レイモンド・ジョーンズが、他のコンベンションに登場すると宣伝されました。私の友人のロン・ビリングスレイの妻シルヴィアは、私に会えると思ってそこへ行ったのですが、そこで彼女が目にしたのは、ボブ・ウーラーとアリステア・テイラーが議論していて、ボブが自らをレイモンド・ジョーンズと名乗っているところです。」
 
「ボブは、自分がウソをついていることを知っていて、もし、誰かが私の消息について知っていたとしても、黙っていてくれるよう参加者に口止めしていました。シルヴィアはとても内気で、自分の意見を言える性格ではありませんでしたが、彼女は、ボブの話の後で彼のところへ行き、彼女は私と連絡を取れると告げました。彼女の夫と私の友人は連絡を取り、今度は私が、ボブと連絡を取りました。」
 
「ボブと私は、テイラーの主張を不愉快に感じ、行動を起こす計画について話し合いました。ボブは、彼が本を出版することを計画していて、その中で真実を公表するつもりだと話しました。スペンサー・リーは、既にボブについて本を書いていました。それは、『最も優れたヤツ』と呼ばれ、ボブ・ウーラーに関する話でした。」
 
「スペンサーはまた、雑誌『モジョ』の中で『ノーウェア・マン(どこにもいない男。これはジョンの同名の名曲に引っかけてるんですね)が見つかった!』という記事で、私のことについて書きました。少し経ってから、モジョ出版社は、私に接触してきて、この話を本として出版することに関する許可を求めてきました。10年後、それは世界に衝撃をもたらしました。」(終わり)
 
 
え?この話、そんな経緯があったの?って今さらながら思いました(; ̄O ̄)ビートルズとブライアン・エプスタインとの出会いについては、ビートルズ・ファンは良く知ってる出来事なんですが、ビートルズの歴史の始めの方で簡単に触れられるだけで、それも「どこの誰だか分からない一人の青年」として描かれているだけでした。未だに公式ガイドブックにも彼の名前は出てきません。
 
 
それに、本当にそんな人物が実在するなら、絶対名乗り出たでしょう。自分のことだということは、すぐに分かったはずですから。そのため、「エプスタインがビートルズのサクセス・ストーリーを盛り上げるために作り上げた架空の人物」という話があり得るとして信じられたのもムリはありません。
 
 
私だったら、絶対黙ってられませんけどねf^_^;「その青年ってのは、オレだ、オレだ、オレだ〜!」ってすぐに名乗り出ますよ(笑)その当時の詳しい話をすれば、状況が一致するからすぐに真実だと分かってもらえるでしょう。そうすりゃ、歴史に名前が残るじゃないですか!こんなオイシイ話ありませんよ。
 
 
でも、世の中には世間の注目を集めたくない人も大勢いるのは確かです。ジョーンズもそんな一人だったんでしょう。ただ、余りにもデタラメがまかり通って、流石に黙ってられなくなったんですね。
 
 
それにしても不可解なのは、コンベンションでのウーラーの言動です。自らジョーンズを名乗り、しかも観客に口止めまでしてたなんて信じられません。彼は1926年生まれですから、1961年当時は35歳ですよ?それが18歳だなんてサバ読み過ぎでしょ?何でそんなことをしたんでしょうか?それに、キャヴァーンで彼がDJをやってたのは、通ってた人はみんな知ってますから、もし、会場にいたらすぐバレちゃうじゃないですか!現にバレましたしね。
 
 
しかも、ジョーンズ本人が現れるとウーラーは、テイラーに抗議し、真実を明らかにすると約束までしています。言動が支離滅裂で訳が分かりません( ゚д゚)まあ、テイラーがジョーンズの存在を否定していたのが気に食わず、自らジョーンズを名乗ることでその存在を明らかにしようとしたとも考えられますが、いかにもムリがあり過ぎでしょう。
 
 
歴史というのは怖いもので、事実と信じられていたことが後になって否定されることもあるんですね。肝心のジョーンズの話の信ぴょう性については、ブライアンもウーラーも故人なので確かめようがないのですが、具体的で客観的事実とも符合する点が多く、友人も多く関わっていることから、高いと考えて良いと思います。
 
 
5年も前に報道されてたんですが、私は知りませんでしたf^_^;っていうか、ネットニュースでも流れて無かったと思うんですが。余りにもマニアックな話題だったので、報道されなかったんでしょうかね?
 
 
そもそも、この話は、ブライアン・エプスタインが自伝の中で、レイモンド・ジョーンズの存在を明らかにしたことが発端です。ところが、張本人のジョーンズ自身が名乗り出なかったため、信ぴょう性に疑いも持たれていたのです。
 
 
そこへ、1995年11月4日に突然、アリステア・テイラーが「デッチ上げ説」を唱えたために、大騒ぎになってしまったのです。
 
 
しかし、レイモンド・ジョーンズが架空の人物であるというアリステア・テイラーの話は、BBCのラジオ・プレゼンターであったスペンサー・リーによって否定されました。彼は、レイモンド・ジョーンズを取材し、雑誌モジョに記事を掲載しました。彼は、2002年10月25日に「The Best of Fellas」という書籍を出版し、この問題について詳しく記述し、NEMSとブライアンが、ジョーンズがビートルズが有名になったことについて果たした役割を知るために接触したことを記述しています。これは、スペンサー・リーが自筆のサインでジョーンズにプレゼントした書籍です。

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リーの自筆で「To Ray, At last-your rightful place in Beatle history! All the best」とサインがしてあります。「レイさんへ ついにあなたは、ビートルズの歴史において正当に位置づけられました。最高です。 スペンサー・リー
 
 
ビートルズの伝記作家であるマーク・ルイソンは、リーが記述したジョーンズに関する情報は、証拠に裏付けられた正確なものであると主張しています。
 
 
一方、アリステア・テイラーは、2002年4月10日に受けたインタビューに対して、次のように答えています。
 
 
「キャヴァーン・クラブでビートルズを初めて見たのは、1961年11月9日だった。ブライアンと私は、店から出てマシューストリートを歩いてクラブに行き、彼らを見た。
 
彼らをマネジメントするつもりじゃなく、単に好奇心をそそられたからなんだ。誰もが我々が彼らのことを知っていたから行ったんだというが、そうじゃない。『マイ・ボニー』が沢山売れたし、キャヴァーンは店のすぐ近くにあったからね。
 
レイモンド・ジョーンズは、この40年の間に一度だけ酷く酔っ払って、マージーサイドラジオに電話して来たんだ。私は、レイモンド・ジョーンズのことは全く記憶にない。だから、彼のことは気に留めないことにした。ボブ・ウーラーと私のどちらを信用するかは、あなた次第だ。レイモンド・ジョーンズか私のどちらかがやったことだよ。」
 
 
つまり、彼の主張では、レイモンド・ジョーンズなる人物は実在せず、あくまでマイ・ボニーが凄く売れたことで、ブライアンとテイラービートルズに興味を持ち、キャヴァーンが店から近いこともあって見に行ったのであって、決して彼らのことを知っていたわけではないということですね。スペンサー・リーの本が出版されても、自説を曲げなかったことになります。これがテイラーです。

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私は、テイラーは、本人の個人的見解を述べたのであって、決してウソをついたつもりはないと思います。彼が記憶していることを忠実に語ったのでしょう。例え、それが結果的に真実に反していたとしても、そのことをもって彼を非難することはできないと思います。そして、ブライアンとジョーンズとのやり取りの時には、テイラーはたまたまその場にいなかったんでしょう。だから、知らなかったとしても不自然ではありません。
 
 
ただ、ブライアンの生前に何故そのことを本人に確かめなかったのかという素朴な疑問は残ります。このことについてテイラーは、ブライアンが伝説を作り、しかもそれが独り歩きしてもはや止めることができなくなったので、そのままそっとしておこうと考えたのだと語っています。テイラーは、ブライアンの片腕でしたから、彼の名声に傷を付けてはいけないと考えたのでしょう。
 
 
しかし、それならそれで、何故沈黙を守らず、何十年も経ってから突然ネタばらしをするようなことをしたのでしょうか?それに故意ではないにしても、ジョーンズを全く架空の人物と決め付けてしまったことには大いに問題があります。彼がジョーンズの発注を受けていなかったのは事実だとしても、それが直ちにジョーンズを架空の人物と決め付ける根拠とはなりません。店長が客との些細なやり取りを一々店員に告げることも無いでしょう。ブライアンとジョーンズとの出会いも、ブライアン自身が忘れてしまったとしても何ら不思議ではない位些細なやり取りですから。
 
 
確かに、マイ・ボニーが売れたことも、彼らをキャヴァーン・クラブへ向かわせた動機の一つであったことには違いありません。しかし、ブライアンにはそれに加えて、ジョーンズの存在があったのです。テイラーが、自分が目撃していなかった、あるいは、証拠となるものが存在しないという理由だけで、ジョーンズが実在しないと決め付けてしまったことは、ミスリーディング以外の何物でもないと思います。
 
 
しかも、それに加えて、ブライアンがビートルズ伝説を盛り上げるために作り話をしたとまで主張していますが、これは彼の憶測に過ぎず、これこそ何の根拠も無かったのです。このことで50年近くも世界中が惑わされたこと、それからブライアンの名誉を傷付けたことについては、批判されても致し方ないと思います。
 
 
一方、ジョーンズは責められないでしょう。確かに、彼がもっと早く名乗り出てくれさえすれば、世界中が惑わされることもなかったのですから。しかし、名乗り出ればマスコミが殺到し、一躍時の人に祭り上げられ、平穏な生活ができなくなってしまうおそれがあります。人によっては、それを苦痛と感ずることもあるでしょう。
 
 
でも、彼が勇気を奮って名乗り出てくれたお陰で、ビートルズにまつわる大きな謎の一つが解明されました。私は、(その5)でブライアンがビートルズ伝説を盛り上げるために、話を盛ったという説もあると書きましたが、もうその時点で真相が明らかになってたんですね。調査不足のために誤った情報を提供してしまいました。ここで訂正してお詫びしますm(_ _)m「過去の歴史は、後世になって書き換えられる可能性がある。」ということも良く分かりました。
 
 
それから、天国のエピー、ごめんね。少なくとも、このブログを読んで頂いた皆さんに、あなたが話を盛った可能性もあるなんて印象を与えてしまって、申し訳ありません。
 
 
ということで、このお話しはここまでとしておきます。
 
(参照文献)
THE BEATLES BIBLE, THE ALISTAIR TAYLOR INTERVIEW, BEATLES MUSIC HISTORY
(続く)