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★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その67)ポール・マッカートニーのベース・テクニックについて(その4)

ポールマッカートニーの素晴らしいベースラインはまだまだ沢山ありますが、全部はとても紹介し切れないので、主要な作品だけをできるだけコンパクトに紹介します。と言いつつまた長くなりそうですが(^_^;)
 
1  RAIN(REVOLBER 1966)
(Capitol RECORDS)
この曲もポールのベースが高く評価されている作品の一つです。中期の傑作の一つといっていいでしょう。
 
 
コードを演奏しているにもかかわらず、なんだか不協和音のような不思議なサウンドが広がっていますが、それがむしろポールのベースラインを却ってポップなサウンドに仕立てています。
 
 
ヴォーカルとギターは、全体にゆったりとしたテンポで結構スペースが入っています。ユラユラ揺れるような、うねるような、サイケデリックなサウンドです。ベースラインは、何時ものようにコードのルート音からがパターンを開始しますが、この独特なサウンドをベースラインが引き立てています。10フレットから上の高音をずっとキープしたままのベースラインは、この曲のもつイメージを良く表しています。ベースで高音をずっと維持し続けるのは、おそらくポール独特のアイデアでしょう。フィンガリングもかなり忙しいです。
 
 
そして、サビでこのベースラインの最高潮を迎えます。ポールは、大きく奏法を変えてヴォーカルやコーラス、イントロを支えています。ジョン、ポール、ジョージの3人は、ハモっている間、GとCをストロークし、ジョンとジョージがGとGsus4を弾いている時、ポールは、ルート音のGにハンマリングでオクターブ上のFを弾いて合わせています。そして、DからCへとコードが進行し、ハモりが終わるまで高音のGをハンマリングで入れ続けています。
 
 
圧巻なのは、最初のサビのベースラインです。「ドゥーン、ドゥーン、ドゥーン」と高音で炸裂するベースです。これでもかという位暴れまわっています。しかも、最初のサビと3回目のサビではメロディーが同じにも拘らず、わざわざベースラインを変えています。階段状に上から下へ降りるサウンドにしていますね。
 
 
 
ポールは、この頃、時々、リッケンバッカーのネックにカポを付けて演奏しました。この曲でも使用したのではないかと推測する人もいます。彼は、軽やかにネックを操り、オクターヴ中心のパターンを演奏しました。自分のヴォーカルではなかったので、曲全体でギター・リフの裏メロディーを創作して弾いたのです。
 
 
ポールは、この頃から盛んにベースをオーヴァーダビングし始めたので、多分、この曲もそうしているのではないかと思います。
 
 
リンゴのドラミングの時にも触れましたが、ポールのベースとリンゴのドラミングは見事に協調しています。特に、リンゴがフィルを入れているところにポールがベースを合わせています。このことからも、ポールが最後にベースをオーヴァーダビングしたと推察されます。
 
 
この曲を収録した頃は、まだビートルズは、ライヴ活動を中止はしていませんでした。しかし、この曲は、ライヴでは演奏されていません。というより、できなかったんですね。オーヴァーダビングもそうですし、テープのテンポも編集で変えていると思うので、とてもライヴではできなかったでしょう。
 
 
2 WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIEND(SGT. PEPPER 1967)

www.vidio.com

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(howtoplaybeatles,com)
私が加入しているビートルズのファンのFBグループでアンケートを取ったら、これが4位にランクインしました。これは正直、意外でした。しかし、改めてベースラインに着目してみると、なるほどほのぼのとした曲のバックで、ベースがリンゴのヴォーカルを優しくサポートしています。
 
 
この曲は、Sgt.Pepper~がエンディングを迎えながら、自然に切り替わるんですよね。その瞬間にベースがさりげなくスッと入っています。ここでロックからバラードに切り替わるよ、というサインでしょうか。
 
 
この曲も1オクターブ上から始まって、途中で低音に戻しています。これは彼が好んで使う奏法ですね。この頃は、ロックベースの変革期で、ポール以外にもベーシストが色々な試みに取り組んでいました。テクニックももちろんですが、そもそもこんなベースラインを創造するところにポールの独創性を感じざるを得ません。
 
 
3 GETTING BETTER(SGT. PEPPER 1967)

www.vidio.com

1967年から1968年頃がポールの独創的なベース・テクニックが一番開発された時期かもしれません。もっとも、その片鱗は、すでに初期の時点で見えていました。例えば、「MICHELLE」「AND YOUR BIRD CAN SING」「PAPERBACK WRITER」「I SAW HER STANDING THERE」などがその一例です。
 
 
GETTING BETTERでもユニークなベースラインを奏でています。ウォーキングベースを見せているのですが、まるでコードを間違えているのではないかと錯覚するようなベースラインです。例えば、Dmの所でAm7、Fの所でDmを弾いています。
 
 
そして、メロディアスなフレーズを弾いていますが、コードをアルペジオで弾くのではなく、メロディーを下降していきながらコードを変えています。これは、非常に古典的な対位法を使ったベースラインです。これがエレキベースではなく、管楽器やヴァイオリンならごく自然な奏法です。ウッドベースでもそうですね。フレットがありませんから、滑らかに指を滑らせてコードを変えられます。しかし、フレットがあるエレキベースでは考えられません。
 
 
ポールは、どうやってこんな奏法を思いついたのでしょうか?彼は、ピアノを演奏するときもコードをアルペジオで演奏する必要を感じていませんでした。ピアノはグラデーションのように滑らかにコードを変えることができます。そこからヒントを得たのかもしれません。
 
 
4 HEY BULLDOG(YELLOW SUBMARINE, 1968)

www.youtube.com

何でこの曲がアルバム「YELLOW SUBMARINE」に収録されてるんですかね?「WHITE ALBUM」「ABBEY ROAD」なら何ら違和感はないんですが。いずれにしても名曲であることに変わりはありません。
 
 
ポール・ファンにとってはたまらないベースです。このベースラインでこの曲が引き立っていると主張します。それが逆に、アンチ・ポールの人達からは「うるさい」と言われてしまうのですが(^_^;)流石タフなポールも、曲の最初から最後まで休まずベースを弾き続けた曲は少ないのですが、この曲は、その数少ない中の一つです。
 
 
ジョンとジョージが、8分音符と16分音符を組み合わせ、アップとダウンストロークでコードを進行させている間、ポールのベースラインがこの曲のリズミカルで弾むような曲調を引き出しています。ヴォーカルの所のベースラインは、ピアノで8分音符とリンゴのハイハットが入る間に、短い16分音符を入れるというユニークなものになっています。
 
 
 5  COME TOGETHER(ABBEY ROAD 1969)
これがポールの最高のベースだと主張する人もいます。いやあ、そういわれればそうかもなあと思ってしまいますねf^_^;
 
 
ジョンの「シュートミー!」というヴォーカルに合わせて、「ドゥン・ドゥン・ドドドゥ~ン・ドゥ~ン」とベースが入ります。この最初の4小節でもうリスナーのハートを鷲掴みにしてしまいます。数あるベース・イントロ、ベース・リフの中でもトップにランクされるかもしれません。この珠玉の名曲のグルーヴ感は、ポールのベースとリンゴのドラムによって作り出されているといっても過言ではありません。
 
 
この部分は、ギターもあまり入れられておらず、リンゴのパートもハイハットとわずかなパーカッションと必要最小限に抑えられています。一方、ポールは、ベースラインの高音と低音を忙しく上下させています。やはり、アクセントとしてスライドやハンマリングなどを使っています。特に高音と低音と間のスライドが素晴らしいの一語に尽きます。ポールは、同じパターンを繰り返していますが、所々で変化を付けています。
 
 
6 WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS(THE WHITE ALBUM 1968)

www.vidio.com

これもジョージの作品です。しかし、SOMETHINGの時とは違い、ここではポールは、伝統的なベースとしての役割を果たし、ジョージのヴォーカルを支えようとしています。イントロでジョージのギターに合わせ、ポールは、ベースのサウンドを提供しています。このアルバムの中では、最も重厚なサウンドになっています。
 
 
ただ、サビの部分だけはウォーキングベースラインを入れています。ジョージのヴォーカルのバックでハモンドオルガンがコードを演奏している間、ポールは、サウンドを前へ進め、それに少し重みをもたせるために、スライドとアクセントを入れて演奏しています。
 
 
ジョージは、このアルバムのポールのベースが当時最も革新的であり、多くのベーシストは、ポールが創造したベースラインを超えることができなかったと語っています。その後のロックのベースプレイに長く影響を与えたのは、このアルバムを除いては「レッドツェッペリンⅡ」ぐらいだろうとも言っています。
 
 
すいません。まだ語りつくせていないので、もう1回だけポールのベース・テクニックについて語らせてください。
 
(参照文献)Smart Bass Guitar, BASSMUSICIAN, THE brunch with JOE JOHNSON
(続く)