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★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その101)ジョージ・ハリスンのギター・テクニックについて(その4)

ジョージのギターが冴えている作品の紹介を続けます。

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1 アイ・コール・ユア・ネイム

これはれっきとしたレノン=マッカートニーの作品ですが、ブライアン・エプスタインがビートルズと同時にマネジメントしていたバンドであるビリー・J・クレーマー・アンド・ザ・ダコタスに提供されたものです。

 

ジョンとポールは、「バッド・トゥ・ミー」という作品も彼らに提供していて、その作品がA面、この作品がB面でリリースされました。何とこのバッド・トゥ・ミー、全英チャート№1を獲得しているんです。いやはや、他人にやらせてもヒットさせちゃうんですね(^_^;)

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他人に楽曲を提供するのも商売ですが、やっぱり良い曲だからセルフ・カヴァーしたくなったんでしょうね。 もうリリースされてから1年以上経ったんだし、B面の曲だからそろそろカヴァーしても良いんじゃないかって考えたんでしょう。

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この作品の面白いところは、間奏でテンポが変わって「スカ」のリズムになることです。え?「スカって何でスカ?」って?出た、オヤジギャグ!(笑)レゲエは分かりますよね?どちらもジャマイカのリズムです。

 

スカは1960年中期に世界的に流行したのですが、すぐにすたれてしまいました。シャッフルに近いですかね?驚くべきなのは、ビートルズが早速そのリズムを取り入れていることです。ホントに何でも飲み込んで消化しちゃうモンスターバンドですね。

 

イントロは、殆どダコタスが演奏したのを頂戴しちゃってます(^_^;)ジョージが初めてリッケンバッカーの12弦を使ったのがこの作品です。彼の刻むリズムでウキウキした気分になります。改めて聴くと良い曲ですね~。セルフ・カヴァーしたくなる気持ちも分かります。

 

2 イエス・イット・イズ

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この作品でもジョージは、ヴォリューム・ペダルを使用して「カントリーロック」というジャンルが登場する3年も前に、それに近いサウンドを創造したのです。ジョンのヴォーカルに何とも言えないふんわりとした情感を漂わせています。アメリカ・ナッシュビル・カントリーを思わせるサウンドです。 

 

3 イフ・アイ・ニーディッド・サムワン

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この曲は、日本武道館公演でも演奏されました。1965年当時、ビートルズとバーズとはアメリカで初めてのライヴァルとして激しく競い合っていましたが、仲が良くてお互いに影響し合っていました。

バーズのロジャー(ジム)・マッギンは、1964年製リッケンバッカー360/12を弾いていますが、それは、映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」でジョージが使用しているのを観て購入したのです。

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逆に、ジョージは、マッギンの「ザ・ベルズ・オヴ・リムニー」のギターのタッチからヒントを得て、このリフを作りました。

 

ジョージは、この作品でもリッケンバッカー360/12を弾いていますが、それは彼にとって2本目の1965年製で若干丸みを帯びた形をしていました。彼は、ギターの7フレットにカポタストを装着して演奏しました。そして、彼は、この曲が完成するとそのトラックをアセテート盤にコピーしてバーズに送りました。「ジムへ感謝を込めて」という礼状を添えて。こういうところがジョージの義理堅いところです。

4    ヘルプ

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この作品は、当時のハードスケジュールやプレッシャーに押しつぶされそうになって悲鳴を上げているジョンの魂の叫びそのまま表現したものです。ジョージは、その叫びに残酷なまでにエレガントなギターで応えました。ジョンのヴォーカルに合わせて1拍ずつ下降していくリード・ラインが何とも小気味の良いアクセントになっています。そして、高速のアルペジオを奏でて、悲観的な歌詞に暖かい希望の光を当てたのです。

 

5    ノーウェアマン

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どこにも居場所のない男とは、ジョン自身を表現したものです。ジョージは、ジョンとともにフェンダー・ストラスキャスターを使い、この作品に光を当てました。間奏のギターは、間違いなくジョージの発想であり、彼の華やかなギター・ワークの真骨頂ともいえます。最後のピーンという1弦5フレットの冴え渡るハーモニクスも含めて。

 

6 アンド・ユア・バード・キャン・シング

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(BeatleLinks)

バーズは、ビートルズの12弦リッケンバッカーとコーラスにインスパイアされ、「エイト・マイルズ・ハイ」という曲を制作し、リリースしました。ところが、逆にビートルズがこの曲にインスパイアされ、この作品を制作しました。

 

ビートルズは、既に1966年4月20日に元々「ユー・ドゥント・ゲット・ミー」というタイトルの曲をレコーディングしていました。しかし、バーズの曲を聴いて「オレたちならもっと上手くやれる」と気が変わり、6日後に原曲を変更して12時間掛けてレコーディングし直したのです。

 

この作品はフォークロックっぽい曲調と鮮やかなリード・ギターとの間でいかにバランスを取るかが難しいところでした。それは、第2セッションが始まる前にジョンが全員に、「OK、じゃあ、活発に、モデラートでフォックストロットでやろう」と指示したことに現れています。んん?中くらいの速さでテンポよくだって?おいおいどうしろってんだ?まあ、そんな矛盾した指示を出したジョンもジョンですが、それをちゃんと演奏してしまう他の3人も凄すぎますね(^_^;)

 

ジョージとポールは、向こう見ずともいえるデュアル・リードギターで素晴らしいリフを演奏し、原曲をアレンジし直して、より明るく迫力のある作品に仕上げました。ただし、2人がこの時に使用したのは、リッケンバッカーではなくエピフォン・カジノでした。

 

2人は、ナッシュビルのカントリーロックのペダルスティールギターのようなサウンドを奏でています。この作品のメタリックなサウンドは、他のアーティスト、例えば、レナード・スキナード、ボストン、アイアン・メイデンのようなバンドにまで影響を与えています。ビートルズの凄いところは、こんな数多くの大物アーティストたちにまで影響を与えたことですね。 

 

7    アイム・オンリー・スリーピング

アルバム「リヴォルヴァー」に収録されたこの曲で、ジョージは、彼の数あるプレイの中でも最高ともいえる、驚くべきバックグラウンドでのソロを見せました。

 

前回お話したように、以前から彼は、エクスプレッションペダルを使用してギターのヴォリュームを増幅させていましたが、これは既に「イエス・イット・イズ」や「アイ・ニード・ユー」で使用したのと似たような効果を狙ったものです。

 

この作品でジョージは、ジョンが「レイン」で見せた逆行するヴォーカルに明らかにインスパイアされ、本当にギターを逆行して演奏しようとしました。ジョージは、バックトラックが流れている間にソロを即興で演奏することをせず、リードギターのラインとして5つのパターンを用意していました。そして、マーティンにテープを逆回転させるよう指示したのです。

 

テープが最初に戻るまでに、ジョージは、ラインを演奏しました。その結果、曲の奥深くから盛り上がってきたソロが、ぼんやりとした幻想的で夢を見るような雰囲気を醸し出すことに成功したのです。彼のこの幻想的な奏法は、いわゆる「サイケデリック・ロック」というジャンルを誕生させるきっかけとなりました。例えば、エレクトリック・プルーンズの「アイ・ハッド・トゥ・マッチ・トゥ・ドリーム(ラスト・ナイト)」やジミー・ヘンドリックスの「キャッスルズ・メイド・オヴ・サンド」などにも大きな影響を与えたのです。

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さて、このシリーズもいよいよ次回で終わりです。

(参照文献)

ROLLINGSTONE!, BEATLES MUSIC HISTORY!

(続く)

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