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★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その118)ポール・マッカートニーのヴォーカルの凄さについて(その4)

引き続きポールのヴォーカルの凄さについてお話しします。

1 ハイトーン・シャウト系(続編)

3 カンザスシティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ!

「beatles concert」の画像検索結果

これも前期のカヴァー曲です。ビートルズが本当に天才だと思うのは、オリジナル作品ももちろんなのですが、カヴァー曲のアレンジが抜群に上手くてオリジナルを凌駕してしまうことですね。この作品もその典型的な例です。オリジナルの曲構成を巧みに変えています。

 

前にもお話したようにポールは、リトル・リチャードが大好きで、この曲もポールにとって最高のレコードの一つだとレコーディング・エンジニアのジェフ・エメリックに語っています。

 

この曲の由来は、ちょっとややこしいんですが(^_^;)、オリジナルは、1952年にリリースされたリトル・ウィリー・リトルフィールドの「KC・ラヴイング」という曲です。

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リトル・リチャードは、1956年に「ヘイーヘイーヘイーヘイ」という全く別の曲をリリースしました。

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そして、先ほどのKC・ラヴイングにこれを付け加えたヴァージョンを「カンザスシティ/ヘイ ヘイ ヘイ ヘイ」としてリリースしました。タイトルにスラッシュが付いているのはそのためです。

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いや、このアイデアは大したもんです。さらに「Hey!Hey!Hey!Hey!」とシャウトするところにスタッカートを入れてインパクトをより強くしました。

 

イギリスのチャートでは26位止まりだったんですが、リチャード好きのビートルズが見逃すはずはありません。レコードだけではなく、リチャードと共演した時に彼の演奏を聴いて、しっかりカヴァーしました。

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実は、ポールは、リチャードと共演した時に彼のヴォーカルを聴いただけではなく、シャウトの秘訣を直接教えてもらったのです。え?どんな秘訣かって?それは知りません。ポールに聞いてくださいな(笑)

 

ポールがイントロの後に高いキーで「Ah~」と入り、間奏の後に「Hey!Hey!Hey!Hey!」とシャウトするところがしびれますね。

 

「エイト・デイズ・ア・ウィーク」のイントロとアウトロの編集用テイクをレコーディングした後に、この曲のレコーディングを始めました。当時のビートルズは超過密スケジュールで、この時も全英ツアーの合間を縫ってのレコーディングだったんです。

 

それでなくてもポールは喉を酷使しているのに、「いきなりこんな高いキーの曲から始めるのか?」とエメリックは驚きました。ビートルズは、スタジオ入りしても時間がないため、ロクにウォームアップすらしていなかったのです。

まあ、並みのシンガーなら喉を潰してしまったかもしれません。しかし、そこは「超合金でできた喉を持つ男」です。彼は、下積み時代からずっと歌い込むことで喉を鍛えてきたのです。ビートルズは、自信満々でレコーディングに臨むと完璧な演奏を行いました。

 

2テイクレコーディングしましたが、最初のテイクが余りに素晴らしい仕上がりだったので、これが採用されました。数ある「ビートルズの一発撮り」の一つです。オーヴァーダブを入れてもたった30分で完成させてしまいました。

 

4 オー!ダーリン

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これは後期の曲になりますが、特にサビの部分でのポールの高いキーは、とても並みの男性では出せません。そのためか、他の曲とは違って女性が多くカヴァーしています。これは少女のカヴァーですが、大人顔負けですね。参った(^_^;)

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キーが高いだけではなく力強さも必要なため難易度が高く、ポールですらレコーディングでは苦戦しました。彼は、「5年前だったら、こんなの簡単にできたのにな。」と弱音を漏らした程です。

 

それでも彼は諦めず、喉が潰れるのも覚悟して、納得が行くまで何度もテイクを重ねました。そのため、ゆったりとしたテンポにもかかわらず、ポールの高音で力強いヴォーカルには鳥肌が立つような鬼気迫るものがあります。

EXCLUSIVE: Hear Paul McCartney’s Original Vocal Take From The Beatles’ “Oh! Darling” | Society Of Rock Videos

ジョンは、あまりに作品の完成度が高いこと、特にヴォーカルが素晴らしいことに感嘆し、自分に歌わせてくれと頼んだほどです。しかし、ポールは断りました。

 

そりゃあねえ、こんな名曲を人には歌わせたくないですよ。それに作詞作曲は、相変わらず「レノン=マッカートニー」になりますから、一般の人は、ジョンが作ったと誤解してしまいますしね。

 

ジョンは「曲は素晴らしいけど、ヴォーカルはイマイチだな。この曲は、ポールよりオレの方が上手く歌えたはずさ。ポールは、この曲を作って自分で歌った。ポールに才能があれば、オレに歌わせたはずさ(笑)」と悔しがりました。何かジョンの悔しさが伝わって来ますね。

 

逆に、ポールがジョンに「いいよ、その代わり、カム・トゥゲザーをオレに歌わせてくれよ。」って言ったらOKした?ジョン?絶対しなかったよね?(笑)

 

5    ヘルター・スケルター

これは、正にその後の「ハードロック」「ヘヴィメタル」「パンクロック」という新たなジャンルの先駆けともいうべきラウドな曲です。

 

実際、オジー・オズボーンジーン・シモンズらに多大な影響を与えました。エアロ・スミス、U2、ヴォン・ジョヴィ、オアシス、モトリー・クルーなど数多くのアーティストがカヴァーしていることからも、その影響の大きさがうかがい知れます。

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ヴォーカルの強烈なシャウト、鼓膜を破るかのような激しいサウンドがイントロからエンディングまで響き渡ります。

 

しかも、キーが高いんですよ、この曲。それでシャウトするんですから、普通の人がやったら確実に喉が潰れます。「ポールはキレると怖い」という評論家の評論もありますが、本当に何かに憑りつかれたんじゃないかと思うほどシャウトしまくっています。とても「イエスタデイ」を歌ったヴォーカリストと同一人物とは思えません(^_^;)

 

ポールは、ザ・フーピート・タウンゼントが、1967年10月に「恋のマジック・アイ」というシングルをリリースした時に、メロディーメイカーのインタヴューで「今までのどの楽曲よりも激しく妥協のない曲」と語った記事を見て、それに触発されて制作したと語っています。

 

ヘルター・スケルターとは、名詞としては、公園などにある子どもの遊具でらせん式の滑り台を指し、形容詞としては、混乱しているという意味になります。こんな感じですね。

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ポールのヴォーカルが冒頭から徐々に盛り上がって4小節目で最高潮を迎えますが、それにつれてリンゴのスネアも激しさを増していきます。5小節目の最後に「Yeah!Yeah!Yeah!」とポールのヴォーカルが入りますが、これは「シー・ラヴズ・ユー」のコーラスを再現したものです。

 

この作品ではポールの要求により、リヴァーブやエコー、ADTそしてディストーションがふんだんに使用されています。最初の8小節にポールのシングル・トラックのヴォーカルの強いエネルギーが凝縮されています。

ポールのメインヴォーカルのバックでジョン、ポール、ジョージが3メジャーで「Ah〜」とコーラスを入れています。9小節目の演奏とポールのヴォーカルは完全にアドリブです。

 

ポールは、2009年7月17日〜21日に、ニューヨークのシティ・フィールドでライヴを開催し、この時演奏されたヘルタースケルターは、「Good Evening New York City」というアルバムに収録されました。そして、ポールは、グラミー賞のベスト・ソロ・ロック・ヴォーカル・パフォーマンス部門を受賞しました。

「paul mccartney new york 2009 helter Good Evening New York City」の画像検索結果 

66歳でしかもライヴ・パフォーマンスでヴォーカルが評価されるとは、流石ですね。

 

6 その他

ジ・エンド、アイヴ・ガット・ア・フィーリングなどポールのハイトーンヴォイスは、様々な曲で聴くことができます。 

 

次回は、「明るく元気系」に移りましょう。

(参照文献)BEATLES MUSIC HISTORY, BEATLES RECORDING SESSIONS

(続く) 

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