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ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その126)ビートルズに影響を与えたアーティストたちーエルヴィス・プレスリー(その2)

「elvis presley」の画像検索結果

前回に続いて、なぜ、ビートルズがエルヴィスを公式にカヴァーしなかったのか?についてのお話を続けます。

1 なぜビートルズは、エルヴィスを公式にカヴァーしなかったのか?

(3)あまりにスーパースター過ぎた

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前回の記事で書いたこととも関連しますが、エルヴィスはあまりにスーパースター過ぎて、カヴァーするのは気が引けるということもあったかもしれません。

あまり知られていない曲を発掘して、それに独自のアレンジを加え、素晴らしい作品に仕上げることにこそ醍醐味があるわけですから。

それに、スーパースターの大ヒット曲をカヴァーしたら、その人気に便乗したとも誤解されかねませんしね。「監獄ロック」を歌うエルヴィスです。あまりにもカッコ良すぎてちょっとカヴァーするのもためらっちゃいますね(^_^;)

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(4)エルヴィスが許可しなかった

これは、ちょっと分かりません。というのも、エルヴィスは、歌手であり、コンポーザーではありませんでした。コンポーザーにはカヴァーを許可する権利がありますが、歌手にあったかどうか。

 

当時は、今と違って著作権や印税などは、レコード会社などに有利になるようなシステムになっていました。ですから、コンポーザーではないエルヴィスに許可する権利があったかどうかは分かりません。

それにビートルズのデビュー当時は、アメリカでは全く無名でした。エルヴィスが警戒する必要は無かったのです。

(5)エルヴィスはソロ・アーティストだった

それをいえば、チャックやリトルも同じなんですが、ビートルズは、多くのグループをカヴァーしたことからも、方向性としては、あくまでもバンド志向でした。エルヴィスは、彼一人がスターであり、バンドの一員ではありませんでした。

特に、コーラスワークを重視していたビートルズには合わないと判断したのかもしれません。

(6)エルヴィスのコピーバンドと思われたくなかった

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「ブルー・スエード・シューズ」を歌るエルヴィスです。これもバッチリ決まっています。のキャラが立ち過ぎて、どうやっても彼になってしまい、ビートルズではなくなってしまうことも懸念したのかもしれません。

ビートルズは、色々なアーティストたちのオリジナルを見事に自分たちのスタイルにアレンジし、凌駕してしまいました。しかし、唯一、プレスリーだけはそれが上手くできず、カヴァーというよりコピーになってしまうからではなかったかと思います。

小林克也氏はどちらかというとこの説のようですね。

(7)アイドル路線になじまなかった

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エルヴィスは、「大人に反抗する若者」「セクシーさ」などを売りにしていました。しかし、ブライアン・エプスタインの方針は、あくまでビートルズを誰からも愛されるアイドルとして売り出すことでした。そんな彼の路線にエルヴィスはそぐわなかったのではないでしょうか?

なお、今まで申し上げたことは、当然のことながらあくまで憶測です。ビートルズ自身がこのことについて語っていないからです。

彼らがなぜ沈黙しているのかは分かりません。アンソロジーなどではかなりエルヴィスについて語っているのですが、敢えて上記の話題については避けているようにも思えます。

触れるほどのこともなかったのか、たまたまそうなっただけなのか。謎は残ります。あるいは、後の対談でのできごとが尾を引いて、触れることがタブーになってしまったのでしょうか?

2 ジョンのエルヴィスへの傾倒振り

話が前後しますが、ジョンがいかにエルヴィスに傾倒していたかをもう少しお話します。

ジョンは、当時、ラジオ・ルクセンブルクという10代の若者向けに最新のポピュラー音楽を放送していた番組を良く聴いていました。なので「ロック・アラウンド・ザ・クロック」のビル・ヘイリーなどももちろん知っていましたし、好んで聴いていました。しかし、エルヴィスだけは別格だったのです。

「elvis presley」の画像検索結果ハートブレイク・ホテルを初めて聴いたジョンは、そのブルージーな歌声と切ない歌詞に衝撃を受けました。今まで聴いたどんなミュージシャンとも違う、誰なんだエルヴィス・プレスリーって?

「私は、ジェームズ・ディーン(「理由なき反抗」などに主演し、早逝したアメリカの俳優)に憧れていた。しかし、エルヴィスは、私の人生にとって宗教以上の存在だった。ハートブレイク・ホテルを聴いてからは、それがあまりに偉大過ぎて、例え自分の心の中でさえ、彼に反抗的なことなど言えなくなってしまった。」「私は、エルヴィスのファンだ。なぜなら、彼が私をリヴァプールから外の世界へ引きずり出してくれたからだ。」

 

「初めてハートブレイクホテルを聴いたときは、何が起きたのか分からなくて髪が逆立ったよ。私は、アメリカ人があんな歌い方をするのを聴いたことがなかった。その頃のアメリカ人は、みんなフランク・シナトラ(偉大な歌手、俳優)みたいな歌い方できれいな発声だったしね。そこへ突然、エコーをかけたヒルビリー(カントリーの別称)のヒカップ唱法(ヒック、ヒックとしゃっくりのように歌う歌い方)で歌い、ブルージーなバックバンドの演奏がガツンと来たわけさ。」

音楽的にはモータウンの影響を強く受けていた若きビートルたちがエルヴィスに憧れたのは、もちろん音楽的な面も大きかったのですが、ルックスとかスタイルの影響もそれに劣らず大きかったかもしれません。

それにエルヴィスの音楽は、明らかに黒人のブルースを取り入れたものでしたから、カヴァーするとなると必然的に彼を通じて、原点である初期のモータウンを中心とするブラックミュージックに到達することになったのかもしれません。

 

程なくジョンは、エルヴィスが白人だという噂を耳にしました。まさか?白人にあんなブルースが歌えるのか?

矢も楯もたまらず、ジョンは、イギリスで発行された雑誌、ニュースの映像などでエルヴィスについて調べ始めたのです。そして、彼が白人であることを知り、白人でもあんなブルースを歌えるんだと感激しました。

もちろん、エルヴィス以外にもロックンロールを歌っていたミュージシャンはいましたが、エルヴィスは何もかも違っていたのです。写真に写る彼は、上唇を斜めに釣り上げ、反抗的でワイルドな印象を与えました。目は暗い影を帯び、黒く長いまつげが印象的でした。しかも、下層階級出身者を表すもみあげを伸ばしていました。

ジョンは、早速エルヴィスのダックテールと呼ばれたヘアスタイル、もみあげ、タイトなジーンズなど何から何まで彼そっくりに自分を作り替えたのです。彼は元々問題児でしたが、もはや手を付けられなくなりました。

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彼は、自分の寝室にエルヴィスのポスターを貼り、靴下やシャツは、バスルームや寝室の床に脱ぎ捨てられたままになりました。彼を養育していた叔母のミミは、彼の変化にすぐ気づきました。彼女は、「部屋を片付けなさい!」とジョンに命じましたがもはや彼は耳を貸しませんでした。

エルヴィスとの出会いが、ジョンの人生を変え、彼をロックンロール付けにしたのです。

(参照文献)ENTERTAINMENT, thegurdian

(続く)