★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(166)ビートルズにまつわる数々のコレクターズ・アイテム(その2)

Original Beatles photo 1963 by Dezo Hoffmann

1 クオリーメンの名刺がもつ意味

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この名刺は、地元の商店の店先などに頼んで置いてもらったのです。右下にMANAGER GATEACRE 1715とありますが、演奏の仕事があればここに電話してくれという意味です。

マネージャーのナイジェル・ウェイリーの名前は書いてありませんが、当時、彼は未成年者でしたから、流石に名前を出すのはまずいと考えたのでしょう。おそらく、1957年頃に作成したのではないかと思われます。

左下には仕事を求むと書いてあります。彼らは、マチュア時代にもう演奏のオファーを求めていたことが分かりますね。

 

クオリーメンは、こういう名刺を作ってアピールはしていたものの、実際にギャラがもらえる仕事は殆どなく、大抵は家族とか親戚に依頼された場合でした。

例えば、1958年12月20日にジョージの自宅で開かれた結婚式の時に演奏しています。この写真は、ポールの弟のマイクが撮影したものですが、この日に撮影されたものであるかどうかは確認されていません。

こういった名刺をせっせと作っていたことからも、この頃から「将来はプロになりたい」という彼らの強い願望が芽生えていたことが感じられます。その意味でもこの名刺は、彼らのアマチュア時代の活動を裏付けるだけでなく、将来のスーパースターへの第一歩を踏み出したことを示す貴重な資料だと思います。

2 サイン入りフォトカード

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(1)ハンブルク出発直前のスペシャル・イヴェント

これは、ビートルズが3回目となるハンブルク巡業へ出発する前の1962年4月5日に、キャヴァーン・クラブで地元のファンのために開いた「ファンクラブ・ナイト」の時に来たファンに配られたフォトカードです。

ビートルズを日頃から一生懸命応援してくれているファンとしばらくお別れになってしまうので、彼らのために特別にライヴを開いたんです。ビートルズにとっては、キャヴァーンでの67回目のライヴとなりました。

ファンクラブの会員は、会場でこのフォトカードを手渡され、イヴェント終了時にはサインしてもらえました。表紙はお馴染みのこの写真です。

(2)貴重な4人全員のサイン

この裏にビートルズのサインがしてあります。ファン一人一人がサインしてもらえたんですが、当時のドラマーだったピート・ベストのサインもあります。この頃は、4人全員がサインしてくれたので、今となっては入手が困難な大変貴重なものになっています。

ポールは、サインの後に「XXX」と書いていますね。この意味は分かりますか?まさかとは思いますが、わいせつな意味を想像してないでしょうね?(笑)

 

これは、手紙の最後に書き添えるマークでキスの意味です。自分の好きな人や恋人に送る手紙の最後によくこのマークを書いたりします。まあ、今のLINEのスタンプとかメールの絵文字みたいなものです。この頃にはもう、一般的にこんなマークを使っていたんですね。

3 サイン以外に何が書いてあるのか?

他のメンバーは、それ以外にも一言書き添えています。残念ながら展示物などで近くで見ることができず、はっきりと読めませんでした。この当時は、ファンといってもそんなに大勢ではありませんから、メッセージを書き添えるだけの余裕があったんですね。とはいえ、その頃にはもうこんな長い行列ができてましたが(^_^;)

ジョージは、何と書いてるんですかね?With love to ??? fromと書いているんでしょうか????の部分は、あるいはファンの名前なのかもしれません。

ピートは、Love fromと書いてますね。ジョンのサインが一番読みづらいです💦Love toまでは読めるのですが、後は何と書いてあるのか分かりません。

ãbeno dorn beatlesãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ同じ日のサイン入りフォトカードで別のものもあります。ジョージだけが、おそらくファンの名前を書いているのだと思います。やはり、サイン以外のメッセージが色々書かれた前者の方が価値としては高いでしょうね。

左下に書いてあるメモが何を意味するのかは全く分かりません。

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これはこのイヴェントをPRしたチラシです。このイヴェントに参加すると、特典として自由にビートルズの写真が撮影でき、ファンクラブへの登録申請が認められると書いてあります。

4 ベノドーン・スーツ初お目見え!

この日、ビートルズの歴史上、極めて重大な出来事がありました。それは、あのベノドーン・スーツ、つまりビートルズとしてメジャーデビューした時に着用したあのスーツがこの日初お目見えしたのです!

ビートルズは、この日のライヴの前半をそれまでと同じように黒の革ジャンで演奏し、休憩を挟んでベノドーン・スーツに着替え、ネクタイを着用してクリーンな新しいイメージで登場しました。一日で不良バンドからアイドルバンドに変身したのです。

この衣装から…

The Beatles at the Cavern Club, Liverpool, 5 April 1962

ジャジャーン、この衣装へヘンシーン!

いやあ、ファンもさぞかし驚いたのではないでしょうか?このサプライズ演出を誰が考えたのかは分かりません。おそらくブライアン・エプスタインの戦略だったのではないでしょうか?残念ながら、その時のファンがどのような印象を受けたのかについても分かりません。

あくまで私の勝手な想像なのですが、ハンブルク・ツアーへ行くことをきっかけとして、黒の革ジャンで不良っぽいイメージだったそれまでのビートルズにおさらばして、これからは、スーツを着用したアイドルとしてのビートルズでいくぞ、というファンへの決意のメッセージだったのかもしれません。

5 ピートがメインヴォーカル?

(1)ピートがメインヴォーカルを担当した

上に掲載したポールが座りながら演奏している珍しい写真を撮影したのは、当時ジョージのガールフレンドだったバーナデット・ファレルの兄弟のブライアン・ファレルです。ジョージの写真は、彼ではなく別のファンが撮影したようです。ポールの弟のマイクもこの日キャヴァーンに来ていて写真を撮影したようですが、今となっては、誰がどの写真を撮ったのかはっきり分かりません(^_^;)

普段はドラムを担当しているピートが、珍しくマイクを持ってメインヴォーカルを担当しています。

(2)ドラムは誰が担当した?

じゃあ、その間、誰がドラムを叩いていたかといえばポールです。彼は、若い頃から本当に器用で、バンドが使う種類の楽器は大体演奏できました。おそらくですけど、ドラムの腕もピートより上だったと思います(笑)

ピートがいくつかの曲でメインヴォーカルを担当したことは、あまり話題に上りませんが、1961年から62年まで彼は、「Boys」「Matchbox」「Wild In The Country(プレスリーのヒット曲)」を歌いました。一番盛り上がったのは「Peppermint Twist」という曲だったようです。

 

皮肉なことに「Boys」「Matchbox」は、リンゴが後にメインヴォーカルを担当しました。

残念ながら、ピートのヴォーカルの音源は、未だに発見されていないと思います。もし、発見されてオークションに出品されたら、とんでもない値段がつくでしょう。ビートルズのお宝は、ある日突然表舞台に登場することがあるので油断できませんね。もっとも、私には縁のない世界ですが(^_^;)

6 謎の写真

この一連の写真の中で謎なのはこの1枚です。4月だというのにビートルズがサンタの格好をしているんです。右下の部分が露出過多で白トビしてしまっていますが、辛うじてジョンとポールの姿は捉えています。

さっきのチラシをもう一度見てください。ビートルズの前座で The Four Jaysというバンドが出演していたことがわかります。彼らがこの衣装を着てたんでしょうか?左端にポール、その隣にジョンが写っています。そして、それ以外に写っているのは、このThe Four Jaysのメンバーだと思われます。

ポールがギターを持っていることからすると、明らかにこれから演奏をしようというところですよね。The Four Jaysの演奏が終わった後で、ビートルズが彼らと交代する時にこの衣装を着たようですが、これは謎ですね。ポールなら覚えてるかな?

 

(参照文献)The Savage Young BEATLES

(続く)

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