★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(167)ハンブルクから帰国後初のライヴ

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1 The Four Jaysとは?

(1)キャヴァーンでビートルズの前座を務めた

あ、そうそう、前回でご紹介した「The Four Jays」という名のバンドは、メジャーデビューする前のビートルズの前座をつとめていたくらいですから、当時は、全く無名のバンドでした。

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1962年にThe Fourmostと改名し、ブライアン・エプスタインは、1963年に彼らとの間でマネジメント契約を結びました。もちろん、ブライアンは、ビートルズに心血を注いでいましたが、他のミュージシャンともマネジメント契約を結んでいたのです。

The Fourmostは、ブライアンによってパーロフォンレコードのジョージ・マーティンを紹介され、オーディションに合格して契約しました。

(2)ビートルズが楽曲を提供した

ジョンは、彼らのためにデビューシングル曲を提供しました。それが「Hello Little Girl」です。これは、彼が作曲を始めたごく初期の1957年頃の作品です。この曲は、1963年8月30日にチャート9位を獲得しました。

流石は、ビートルズですね。他人に提供した楽曲でも、チャートの上位にランキングされたのですから。

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2枚目のシングルは、レノン=マッカートニーの作品で「I'm in Love」という曲で、1963年11月15日にリリースされ、これもチャート17位を獲得しました。ビートルズさまさまですね。

こちらは、ビートルズ・ヴァージョンです。

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(3)Get Backでのポールの言い間違えがヒントになった?

彼らの最高のヒットとなったのは、「A Little Loving」という曲で1964年中頃にリリースされ、チャート6位を獲得するヒットになりました。その後、大きなヒットには恵まれなかったものの、メンバーチェンジを繰り返しながら音楽活動を続け、1969年にはポールの提案でRosettaという曲をリリースしました。

このタイトル、ルーフトップコンサートでGet Backを演奏する前に、ポールが言い間違えた女性の名前じゃないですか!正しい歌詞はLorettaですね。

ãget back rooftopãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

これは、1933年にアール・ハインズ ・アンド・ヒズ・オーケストラがリリースした曲で、ポールがアレンジを加え、プロデュースし、ピアノで参加しました。昔のよしみということでしょうか?

 

ポールが、Get Backの演奏でうっかり言い間違えた女性の名前からこの曲のタイトルを思いついたのかどうかは分かりませんが、その可能性はありますね。

彼らは、1999年、2005年にコンピレーションアルバムをリリースしていることからすると、まんざら忘れ去られてしまったバンドというわけではないようです。

2 ハンブルクから帰国後初のライヴ

(1)セント・ジョンズ・ホール

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これは、1961年2月17日、リヴァプールのセント・ジョンズ・ホールでビートルズが初めてライヴ演奏した時のチケットです。「ビッグ・ビート・ダンス」というコンサート名になっています。これが会場です。

ãSt John's Hall on merseyside beatlesãã®ç»åæ¤ç´¢çµæピート・ベストの母親で、ビートルズにとって初めての本拠地となったカスバ・コーヒークラブのオーナーでもあったモナ・ベストが主催しました。

 

既にこの頃ビートルズは、キャヴァーンのメインバンドになっていたのですが、モナの後押しもあって、カスバにも出演することになりました。彼女は、月一回「カスバ・プロモーションズ」と名付けたダンスパーティーを開き、ビートルズをメインバンドにすえたのです。

(2)ベースはチャス・ニュービーだった

この日は、チャス・ニュービーがバンドの一員として加わっていました。ビートルズのベーシストとしては初代のスチュアート・サトクリフが有名ですが、実は、ニュービーもベーシストとして、ほんのわずかな間だけビートルズに加入していたのです。

この写真は、ビートルズが、初めてのハンブルク巡業からイギリスへ帰国した1960年12月に撮影されたものです。

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スチュアートが正規のベーシストでしたが、彼はハンブルクで現地の女性プロカメラマンのアストリッド・キルヒャーと恋に落ち、他のメンバーが帰国した中で彼だけがハンブルクに残りました。

ですから、この頃、ビートルズにはベーシストがいなかったのです。おそらくそういう事情でニュービーが急きょ駆り出されたのではないでしょうか?

チケットには「Gene Day And Jango Beats」というバンド名が印刷されていますが、これは、その日に共演した地元のローカルバンドでした。このバンドについての詳しいことは分かりません。

(3)他のバンドから楽器を借りて演奏した

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どうやらピートとニュービーは、このバンドから楽器を借りて演奏したようです。リハーサルは、ほんの少しやっただけでした。

お客さんからお金をもらってるのに、こんな準備不足の状態でセッションをやるなんて、プロとしてはいかがなものかと思いますね。っていうか、ニュービーも間に合わせで引っ張り出されたんでしょうね。

本来なら良いパフォーマンスができるはずもないのですが、おそらくモナが強引にセッティングしたのではないかと思います。何しろ自分の可愛い息子が所属しているバンドですから(笑)

(4)肝心のパフォーマンスはどうだったのか?

ポールは、おそらく古いゼニスのアコースティックギターを弾いていたようです。これですね。

Johnny & The Moondogs

ニュービーは、共演したバンドの一員であったトニー・マッギャークが使っていたヘフナー・プレジデントのベースを借りました。彼は、先ほどの写真でも分かる通り左利きだったので、左利き用にチューニングさせてくれと頼んだのですが断られてしまい、仕方なく右利き用のチューニングのままで、ポールと同じように反対側に構えて弾きました。

ポールは、とても器用でしたから、右利き用にチューニングされたギターでも楽々弾けましたが、ニュービーは、おそらくマトモに弾けなかったと思います。どうやら革のジャケットも借りたようです。

 

ニュービーの記憶によれば、この時演奏した曲目は、エルヴィス・プレスリーの「ウッドン・ハート(これはまだイギリスではリリースされていませんでした)」「レッド・セイルズ・イン・ザ・サンセット」そして「ハレルヤ・アンド・アイ・ラヴ・ハー・ソー」でした。

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これは、ファンの女の子たちと撮影した写真です。場所は同じですが、日付は6月14日です。何だかジョン、ちょっとポッチャリしてませんか?(笑)

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急ごしらえでロクにリハーサルもしていなかったのでは、お世辞にも良いパフォーマンスだったとはいえなかったでしょう。

(5)ハンブルクで鍛え上げられたビートルたち

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若きビートルたちは、初めてのハンブルクで散々な目に逢い、身も心もズタボロになって帰国したのです。自信を失っていた彼らにとって、このライヴは良いリハビリになったかもしれません。

しかし、ジョン、ポール、ジョージの3人は、既にこの頃には相当な実力を付けていました。ピートもそれなりに腕を上げていたようです。ハンブルク巡業がムダではなかったことが、ほどなくして証明されることになりました。

キャヴァーンの新たなオーナーとなったレイ・マックフォールが彼らの実力に感心して、このライヴ直前の2月9日にメインバンドに据えたぐらいですから。やはり、ハンブルクでの修行が彼らを鍛えあげたんですね。

マックフォールについてもいずれ語る時があると思いますが、ロックバンドとしてのビートルズの実力に最初に気づいた「大人」でした。

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また、この時にはスチュアートは加わっていませんでしたが、彼もベーシストとしては、一応それなりのレヴェルにまでは達していたようです。ぎごちなかった左手のフィンガリングも、スムースにできるようになっていました。

ビートルズは、ギャラとして20ポンドをもらったのですが、これは当時としてはかなりの金額でした。現在の貨幣価値に換算すると10万円くらいですかね?キャヴァーンの最初のギャラは5ポンドでしたから。

破格の金額ですから、おそらくプロモーターのモナは赤字だったと思います。でも、可愛い息子が所属しているバンドですから、彼女も奮発したんでしょうね。 

 

(参照文献)beatlesource

(続く) 

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