★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(168)ビートルズのユニークな写真とそれにまつわるエピソード(その1)

Beatles Paul McCartney and John Lennon pictured with showgirls

ビートルズは、公私に亘りたくさんの写真を残していますが、その中でも思わず吹き出してしまったり、どういう状況で撮影されたのか首をひねったりしそうなものがあります。

今回はそれらを集め、その背景を探ってみました。さて、どれが一番面白いでしょうか?

1 マスクを着用したビートルズ

1965年12月7日、マンチェスターABCシネマのコンサート開演前に、マスクをしているビートルズです。

さて、ここで問題です。彼らは、どういう理由でこんなマスクをしているんでしょうか?正解は後で披露しますから、ちょっと考えてみて下さい。何故か、ジョージだけがちゃっかりタバコをくわえていますね。

2 ブッチャー・カヴァーで使用した赤ちゃんの人形

この写真につけられたオリジナルのタイトルは「自分で組み立てた人形を手にしたポップ・グループビートルズジョン・レノン 1964年頃」です。

 

これは、ビートルズファンなら誰もが知っている「The Beatles Yesterday And Today」初版のアルバムのジャケット写真、いわゆる「ブッチャー・カヴァー」に使用された赤ちゃんの人形です。この写真が撮影されたのは、ジャケット写真のフォトセッション中なのか前後なのかは分かりません。

ãbeatles butcher coverãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

ただ、カヴァー写真では赤ちゃんの首が取られていましたから、少なくともフォトセッション中ではなかったんじゃないでしょうか?

ファンの方ならお気づきだと思いますが、このフォトセッションは1966年3月25日に行われました。なぜ、写真のタイトルが1964年と誤記されていたのかは分かりません。

ジョンは、サングラスを人形に掛けていますね。でも、分からないのが人形の頭の上に乗っかっている代物です。何でしょうね、これは?ブッチャーカヴァーはカラー写真なんですが、この写真はモノクロなので分かりにくいです。

3 I'm looking through you?

1964年3月12日、映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」の撮影中のトゥイッケナム・フィルム・スタジオで、ロンドンのマダム・タッソーに展示するビートルズのろう人形の型取りをしている合間に、ジョージがろう人形に使用するガラス製の目をはめてふざけているところです。リンゴも同じことをしてますね。そして、3月28日、ビートルズのろう人形が、ポップグループとしては初めてマダム・タッソーのろう人形館に展示されました。4月29日、ビートルズは、自分たちのろう人形と一緒に写真を撮影しました。似てますかね、ちょっとビミョーですね(^_^;)

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そして、ろう人形といえばデーモン閣下…違います、違います!そうです!アルバム「サージェント・ペパー~」のジャケット写真にビートルズや他の有名人のろう人形が登場するんです。これまたマダム・タッソーで製作されたもので、この時から3年後に制作されました。

  Beatles Wax Models Sgt Peppers

4 テレビ番組でのコント風景

(1)イギリスのポピュラー音楽番組

1964年4月28日、リディフュージョン・ウェンブリー・テレビスタジオで「AROUND THE BEATLESという番組を収録した時に着用した衣装です。この番組は、レギュラー番組の「READY STEADY GO!」の特別編として企画され、イギリスでは5月8日、アメリカでは11月15日にABCテレビで放映されました。

 

READY STEADY GO!は、1963年8月から1966年12月23日まで、毎週金曜日の夕方に放映されたイギリスのロックやポピュラーミュージックを中心としたテレビ番組でした。BBCのライヴァル番組であった「トップ・オブ・ザ・ポップス」よりも先にスタートし、よりティーンエイジャー向けの内容になっていました。

BBCは、日本でいえばNHKですから、やっぱりお堅かったんですね(笑)

(2)アイドルがコントや歌を披露

アイドルがコントもやり音楽もやるという、今のバラエティ番組みたいな仕上がりになっています。この頃からでしょうか、こういう番組が増えてきたのは?日本でいえばさしずめ「シャボン玉ホリデー」ですかね?

シェイクスピアの「夏の夜の夢」という演劇のパロディーで、ポールとジョンがロミオとジュリエットみたいな設定のようですが、正直、どこが面白いのかよく分かりません(^_^;)ジョンが女装しているのを可愛いと見るか、キモいと見るかですね(笑)

(3)口パクかライヴか?

この番組は、口パクで収録されたという説もありますが、イギリスのミュージシャンで構成された労働組合が、音楽業界関係者に対して、1965年初頭にその年の3月末日までに口パクをやめるよう申し入れていました。1966年には両者の協定により原則的に禁止されます。

1960年代のテレビ業界では、口パクは当たり前でした。それは、当時の技術では観客の歓声でミュージシャンが自分の出しているサウンドが聴こえず、まともに演奏できなかったからです。しかし、労働組合は、ミュージシャンの権利を守るために口パクを禁止すべきだと主張しました。

(4)何故、口パクを禁止したのか?

口パクは、パフォーマンスを高めるためのテクニックなのに、なぜ禁止したのだろうと不思議に思ってしまいますが、当時は、まだ歌手のバックでバンドが生演奏するというスタイルが主流でした。ところが、演奏がレコードやテープで流されてしまうと、バンドの仕事がなくなって失業してしまうんです。

これは、ミュージシャンの権利を守る立場の労働組合にとっては大問題でした。なので、口パクが禁止されることになったのです。今の感覚だとへえ~って思いますけどね。

 

この収録は4月に行われているので、組合から抗議されないよう番組のタイトルを「Ready Steady Goes Live」と変えて放送しました。それまで、出演者は、口パクで放映していたのですが、この放映から初めて出演したミュージシャン全員がライヴで演奏しました。ですから、資料によれば口パクではなかったということになります。

でも、4月19日に音源をテープに収録したという記録があるので、やはりこのテープに合わせて演奏したと思われます。1995年にはアンソロジー1としてリリースされました。この時点ではまだ業界と組合との協定は成立していませんでしたから、口パクだったとしても協定違反にはなりませんでした。

5 コスプレしたビートルズ

1967年1月8日、ロンドンのクロムウェリアン・クラブで開かれたミュージシャン仲間だったジョージィ・フェイムの彼女の21歳の誕生パーティーにコスプレで出席したジョンとポールです。中央に写っているフェイムは、ビートルズと同時代に活躍したミュージシャンで、全英ヒットチャート1位を3回獲得しています。

ジョンは神父、ポールは王立カナダ騎馬警察の警官の制服を着ています。ジョンの神父姿は、なかなかハマってるじゃないですか(笑)名曲「エリナ・リグビー」に登場する「ファーザー・マッケンジー」を想い起こさせます。

6 あたしたち、絶対消さないから!

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1963年12月15日、バーミンガムのアルファ・テレビジョン・スタジオで「Thank Your Lucky Stars」という番組を収録した際に、競争を勝ち抜いてポールから腕と手に直接サインしてもらうという栄冠に輝いたファンの2人です。彼女たちがずっとこのサインを消さなかったのかどうかは分かりません(笑)多分ですけど、紙にもサインしてもらってたんでしょうね。

下の写真の左端とジョージとジョンの間に立っている女性たちです。やっぱり、手に紙を持ってますね。

ãbeatles 15 september 1963ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 

7 最初の問題の正解は…

さて、最初の問題の正解です。当時のマンチェスターは、工場と車から排出されるガスで大気汚染がひどかったので、市民はマスクをして外出していました。ビートルズは、イギリスの大気汚染問題を皮肉ったのです。これは、正解した方が多かったのではないでしょうか?いや、若い方は分からなかったかな?(笑)

例えば、警察官もこんなふうにマスクを着用していました。日本でも、高度成長の時代は、大気汚染などの公害が深刻な問題になっていたのです。

ã1960 manchester smogãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

(参照文献)Mirror, iNostalgia, THE DAILY BEATLE

(続く)

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