★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(186)アメリカのファンクラブがビートルズとファン・ミーティングを開催

1 ん?誰のだ、このサインは?

今回は、「コレクターズ・アイテムからビートルズの足跡を辿る」というテーマのスピンオフ企画です。

上の写真は、ホテルの便箋に書かれたビートルズのサインですが、なんだかおかしいと思いませんか?彼らは4人なのに、誰かもう1人がサインしています。さて、誰のサインでしょうか?極端に崩してはいないので分かるかと思いますが。

そうです、これは、ビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタインのサインです。ビートルズは多くのサインを残していますが、4人全員が揃ってサインしたものは少なく、コレクターの間でも希少価値が高いとされています。

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このサインは、4人に加えてブライアンのサインが加わっている珍しいものです。普通のファンは、ビートルズのサインは欲しがっても、マネージャーのサインは要らないでからね(笑)

しかし、並のマネージャーであればともかく、ビートルズをスターダムに押し上げた立役者である伝説のマネージャーのサインです。そもそも、マネージャーがファンにサインすることなどあまりありませんし、まして、ビートルズの4人と一緒にサインしているのですから、希少価値はなおさら高いと思われます。

 

ビートルズは、アメリカ・ツアーで1964年9月18日にダラスに到着した直後、3人の地元のファンクラブの会長と会見しましたが、その中にステファニー・ピンターがいました。彼女は、ビートルズに対しホテルの部屋に置いてあった便箋にサインするよう依頼し、ファンクラブとの会見をセットしてくれたブライアンにもサインを依頼しました。それがこのサインなんです。

2 ミート・ザ・ビートルズ

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(1)アメリカのファン・クラブ

コレクターズ・アイテムの話題からさらにスピンオフしますが、アメリカのビートルズ・ファン・クラブのことについて触れておきます。

ステファニー・ピンターは、友人であり同級生のヨランダ・ヘルナンデスと、「ナショナル・ビートルズ・ファン・クラブ」のアメリカ、ダラス支部の共同会長を務めていました。

ステファニーは、ビートルズが1964年9月18日にダラスでコンサートを開催すると聞いた時、何としてでも彼らに会いたいと思いました。彼女の母親は、彼女に対し、ブライアンと連絡を取り、ダラスでビートルズとファン・クラブとのファン・ミーティングを開いてもらえるよう申し入れてはどうかと勧めました。ビートルズに眉をひそめる大人が多かった時代だったのに、なかなか理解のあるお母さんですね。

それで、彼女は、勇気を奮ってブライアンに申し入れしました。数週間努力を続けた結果、彼女は、とうとうブライアンから申し入れを受け入れるという返事をもらいました。彼は、ダラスでファン・クラブの彼女たちが、ビートルズと会うのを楽しみにしていると伝えました。

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(2)勇猛果敢な行動が幸運をもたらした

ビートルズは、その頃すでに世界的なスーパースターとなっていて、ファンが気軽に会えるような存在ではなくなっていたのです。しかし、ブライアンは、だからこそなおさらファン一人一人を大切にしないといけないと考えていました。そこへファン・クラブの方から声をかけてきてくれたのですから、これに乗らない手はありません。

ファンからすれば、憧れのスーパー・スターと直接会って話ができるなんて夢のような出来事です。イギリスのファンならともかく、アメリカ人の彼女たちがビートルズに会えるチャンスは限られています。

しかも、コンサートではなく直接会って話をするのです。こんな幸運に恵まれるのは何百万分の一か、何千万分の一の確率でしょう。ともかく、一生に一度あるかないかというくらいの幸運でした。

 

ただ、彼女たちが単に幸運に恵まれたというわけではありません。彼女たちは、アメリカでファン・クラブを作ってその代表者になり、ビートルズが初めてアメリカに来るという千載一遇のチャンスを逃さず、勇気を奮って彼らとコンタクトを取りました。彼女たちのこの勇猛果敢な行動が幸運を引き寄せたのです。

コンサートまでの数週間のうちに、この2人の女性ファンは、ビートルズへのプレゼント用に地元のステットソン工場に注文して4個の黒いカウボーイハットを作ってもらいました。ステットソンは、アメリカの有名な帽子メーカーで、紳士用のストローハットや中折帽子などを製作していました。現在でも愛用者の多いブランドです。

(写真はイメージです)

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彼女たちはまた、会場となるカバナ・モーターホテルのマネージャーと広報担当者に計画を伝え、ファン・ミーティングの時には何の問題も起こさないと約束しました。

3 カンザス・シティでのコンサート

Ticket for The Beatles at Municipal Stadium, Kansas City, 17 September 1964

1964年9月17日、ビートルズは、カンザス・シティのミューニシパル・スタジアムでコンサートを行いました。カンザス・シティとくれば、そう、あのリトル・リチャードの名曲でビートルズがカヴァーした「Kansas City/Hey-Hey-Hey-Hey!」が頭に思い浮かびますね。

実際、彼らは、この曲を演奏したのでしょうか?当然ですね。まさにご当地ソングですから、やらないはずがありません。残念ながらその時の音源は残されていませんが、この曲のイントロが流れた瞬間、地元の観客は熱狂したでしょう。

www.youtube.com

コンサートが終わった後、ビートルズは、直ちにチャーター機でダラスに飛びました。彼らが空港に到着したのは真夜中でした。ステファニーとヨランダは、ビートルズが宿泊するホテルのロビーで、彼らが宿泊する9階のスイートルームのすぐ下の部屋を確保していた別のグループの女の子たちと出会いました。

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4 ついに夢の瞬間が訪れた

(1)ホテルで待機

彼女たちは、そこでスタッフが彼女たちを呼びに来るまで辛抱強く待ちました。そして、いよいよその時が来て、ビートルズのスイートルームのフロアに向かったのは、ステファニー、ヨランダ、そして、別のファン・クラブのリーダーだったマリー・レゲットの3人の女の子たちだけでした。

彼女たちはエレベーターに乗り込み、他の女の子たちは階段を昇りましたが、そこで止められました。3人の女の子たちも、ビートルズが宿泊しているフロアでエレベーターのドアが開いた時に警官に止められました。

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彼女たちは、下のフロアに連れ戻されかけたのですが、ホテルの広報担当者がステファニーに気づき、ビートルズから許可を得ていると伝えてくれました。彼女たちは、ビートルズの広報担当者のデレク・テイラーの部屋に連れて行かれました。上の写真の左側の人物です。

そして、ローディーのニール・アスピノールがそこで少し待つよう伝えました。彼は、上の階に戻る際に「君たち、ビートルズに会う準備はできてるかい?」と尋ねました。彼女たちの心臓は、破裂寸前だったでしょうね(笑)ニールは、緊張でカチカチになっているそんな彼女たちを、少しでもリラックスさせようと声をかけたのでしょう。下の写真の右端の人物です。

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(2)いよいよ憧れの対面へ!

ようやく彼女たちは、ニールに案内されてビートルズが待つスイートルームへ向かいました。ドアが開けられるとともに勢い込んで部屋に飛び込んだため、ステファニーは、大好きなポールの足につまずいて転んでしまいました。恥ずかしいと思いつつ彼女はすぐに立ち上がり、手に汗を一杯かきながら握手しようと手を伸ばしました。

「私、ステファニーです。」と彼女はポールに名乗りました。彼は、彼女と握手した後、すぐにズボンで手を拭いたんです。それで彼女はちょっと傷ついたのですが、よほど彼女の手が緊張で汗まみれだったんですね。いつもはファンに優しいポールでしたが、流石に気持ち悪かったんでしょう(笑)

部屋にはビートルズの他に大勢のスタッフ、記者たちが詰めかけてごった返していました。ステファニーたちもホントは、ビートルズとだけゆっくり静かに面会したかったでしょうが、流石にそれはできませんでした。

さて、肝心のファンミーティングの内容ですが、次回で続きをお話します。

5 お礼

おかげさまでこのブログの読者数が100名を超えました。皆さん、本当にありがとうございます。

元々文章を書くのは得意な方でしたが、自分が大好きなビートルズのことならブログも書けるだろうと軽い気持ちで、2015年9月5日から書き始めました。早いものでそれから3年が経ちました。書き始めた頃は、まさかこんなに長い間書き続けられるとは思いもしませんでした。

投稿し始めた頃は、閲覧数も大したことがなかったのですが、その後ジワジワと上昇して、やがてビートルズに関するブログの中では上位に表示されるようになりました。

ビートルズは、本当に奥が深くて、書きながら新たな発見をして感心させられることばかりです。これからも勉強を続けて、皆さんに楽しんでもらえる記事を書き続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

(参照文献)MEET THE BEATLES FOR REAL

(続く)

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