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ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(号外)来た!観た!聴いた!ポール・マッカートニー・ジャパン・ライヴ2017(その3 東京ドーム27日編(エア実況))

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1 東京ドーム

さて、場所を東京ドームに移して2日目のライヴです。前回に続いて、今回も私は参加できなかったのでエア実況ということになります。

 

25日の武道館公演は、歴史の転換点を示す大きな意義があるかのように思えました。ただ、その時点ではそれが証明されたとはまだいえません。なぜなら、セットリストの見直しがポールのチャレンジだったのか、それとも単なる彼の気まぐれだったに過ぎないのか、まだ分からないからです。

 

最終的には、30日の公演が終わるまではわかりません。しかし、25日の武道館公演は、ポールの新たなチャレンジを期待させる内容といえました。そして、それが真実であるかどうかは、これからの公演の内容次第です。

 

余談ですが、なぜ武道館の公演は時間が短いのでしょうか?あくまで噂に過ぎないのですが、武道館は皇居から距離が近いんです。そうすると、夜遅くまでやっていると皇居にまでそのサウンドが聞こえて、静謐を害するおそれがあります。それに大勢の人が集まるので警備上の問題もあります。それで公演時間を短くせざるをえないのではないでしょうか? かといって開始時間を繰り上げると、都合がつかない人が増えてしまいます。

2 初日とセットリストが違う!

1 早くも2曲目から

さて、東京ドーム公演です。セットリストの2曲目が早くも武道館と替わりました。武道館ではジェットでしたが、東京ドームではジュニアーズ・ファームに差し替えられたのです。また、3曲目は、武道館ではドライヴ・マイ・カーでしたが、これもキャント・バイ・ミー・ラヴに差し替えられました。ポールが、これほど目まぐるしくセットリストを変えたのは、少なくとも日本公演では初めてです。

 

もちろん、どれも何度もやっている曲ですし、急にリクエストを受けたとしてもやれるはずです。それでも、セットリストを変更するのはとても勇気が要ります。実際、ポールは、初日の武道館であのブラックバードでトチってしまいました。ソロでやる曲ですら間違えてしまうんですから、他のメンバーとセッションする曲になればなおさらミスが起きる可能性が高くなります。

 

同じ曲であっても曲順を変えれば、それだけ間違える危険性は高くなります。これは、バンドをやっている方ならよくお分かりだと思います。あのポール・マッカートニーが間違えたとなったら、それだけで大事件になってしまいます。下手をすれば、口さがないマスコミから「引退勧告」を受けるかもしれません。

 

それに、彼は楽器を何種類も演奏するんです。ベース、エレキギターアコースティックギター、キーボードと楽器をチェンジするだけでなく、同じ種類の楽器であっても曲によってチェンジしています。それをいとも易々と演奏しているのですから、そのテクニックと適応能力の素晴らしさには脱帽してしまいます。

2 4曲目 レッティング・ゴー(ワインカラーの少女)

これは1975年にウイングス時代に制作した曲です。ウィングスは、ビートルズ解散後ポールが結成した彼をリーダーとするバンドです。1971年から活動を開始し、1981年まで活動を続けました。数々の名曲もこの時期に生まれています。

 

武道館公演でもこの時代の曲を演奏しましたが、これは、「私は、ウイングスのことも決して忘れてはいない」というポールのメッセージだと私は受け止めています。もちろん、曲自体素晴らしい曲も沢山あるのですが、あえて大ヒットしたマイ・ラヴなどのメジャーな曲ではない曲を選択したところに、彼のウィングスに対する思い入れを感じます。

 

ビートルズ解散で失意のどん底に叩き落とされていたポール。それを懸命に支えてくれたのは今は亡き妻リンダ・マッカートニー、そしてウィングスのメンバーでした。解散の痛手からようやく立ち直ったポールは、アルバム「バンド・オン・ザ・ラン」でフェニックスのように蘇ったのです。ウィングスがいなければ今の彼はなかったかもしれません。

 

バンドは、事実上解散して36年が経ってしまいましたが、彼らの残した足跡はしっかりと刻み込まれています。

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後でわかったことですが、この曲を演奏したのはこの日だけです。これがいかに重要なことかファンの方ならお分かりいただけると思います。そうです。この曲は、この日に参加した人だけしか聴けなかったのです。他にもその日しか演奏しなかった曲があります。

 

つまり、今回のツアーで彼が演奏した曲を全部聴きたいと思えば、全ての公演に参加しなければならなかったということです。残念ながら、私は29日、30日の2公演しか参加できませんでしたが、それでも違う曲を聴くことができてこの上ない幸せを感じました。

 

チケットを買った時は、全く同じ曲を2回聞くことになるけどそれでも構わない、ポールの生の歌声を聴いて彼が演奏している姿を観られればそれでいい、同じものを何回観てもいい、いや何回でも観たいという思いでした。仮に全く同じセットリストだったとしても、全然抵抗はありませんでしたから迷わずチケットを買いました。

 

2016年に公開されたドキュメンタリー映画「エイト・デイズ・ア・ウィーク」も劇場で4回観ました。あともう1回観ようと思っていた位です。観てるものは同じです。でも違うんです。あそこを見落としたとか、あれはどうだったかとか、あのシーンをもう1回観たいとか。ファンの方なら分かりますよね?ライヴになると、同じ曲でも日によってパフォーマンスが違うんです。何せ生ものですから。

 

分かりやすい所でいえば、エンディングで演奏するジ・エンドですが、あの3人のギターソロの競演です。どの公演1つをとっても同じものはありません。やっている彼らも同じことをやれと言われてもできないでしょう。その時、その場のノリでアドリブでやってるんですから。そこに価値があるんです。 

 

その一瞬は、その時にしか味わえません。そこだけを切り取って金庫に保管しておくことはできないのです。自分の脳裏に刻み込むしかないのです。

3 7曲目 アイヴ・ガッタ・フィーリング

 

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この曲は、25日の武道館が日本で初披露でした。これは私が大好きな曲でやっと演奏してくれました。イントロのギター、そして全く違う歌詞のヴォーカルが対位法で同時に重なりながら見事にコラボレーションしています。

 

しかし、大きなものが1つ欠けています。いうまでもなく違うパートを歌ったジョンの存在です。彼がこのステージにいてくれたら、この曲だけでも一緒に演奏してくれたら。叶わぬ願いとは分かりつつもついそう思ってしまいます。

4 13曲目 ユー・ウォント・シー・ミー

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「どんな風に曲を作るのかって良く聞かれるんだけど、色々あるんだよ。例えば、この曲はこんな感じで作ったんだ。」と言いつつ、アコースティックギターでイントロを弾くポール。オリジナルとは違うイントロだったので、何の曲かすぐには分かりませんでした。わ、ユー・ウォント・シー・ミーだ!アレンジを巧みに変えています。

 

これも日本では初公開です。中期のビートルズの曲であり、とても好きな曲です。それほど目立たない曲ですが、「ウ~、ラ、ラ、ラ」というハモりがうっとりさせてくれる良い曲です。

 

オリジナルは、コーラスが音程を上げていくのに対し、ポールのベースラインが逆に下がっていくんです。玄人好みの曲ながら、一般の方にも聴きやすい曲だと思います。しかし、まさかこれを入れて来るとは思いませんでした。確かに、海外ツアーでは51回演奏されてますけどね(2017年5月5日現在)。

 

今回のツアーの何が凄かったかというと、ビートルズの前身のクオリーメンの時代から現在の曲まで、タイムマシンに乗ったかのようにポールが自由自在に飛び回ったことです。50年以上前の曲と現在の曲を同じステージでやってるんです。懐かしの名曲ばかりを集めたコンサートなら分かります。しかし、昔の曲と現在の曲とが同じステージで演奏されるなんてあり得ません。

 

クラシックなら変わることがないのは当然ですが、流行に左右されるジャンルのポピュラー音楽なんです。少し前の曲ですら古いと感じてしまう。それをミックスして演奏してるんです。まるで、レインボーカラーの端から端まで縦横無尽に駆けまわっているような、それでいてなんという居心地の良さ!何の違和感も覚えません。

 

ポールとは、そしてビートルズとは何と偉大な存在なのでしょうか?いや、勝手に感動してるのは私だけなのかもしれません。独り言として聞き流して下さい。

5 17曲目 ヒア・トゥデイ

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「コノキョクハ、ジョンニササゲマス」と言うMCで始めました。この曲を聴きながら、涙がこぼれそうになりました(いや、エアです)。これは、1980年に殺害されたジョンを偲んでポールが1982年に制作した曲です。 

 

歌詞のIf you were here todayとは、もし今日君がここにいてくれたらという意味です。もちろん、ジョンのことを指しているんですね。ポールは、どんな想いでこの曲を歌ったのでしょうか?


6 36曲目 ザ・バースデイ

 

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アンコールで演奏しました。この曲も大好きな曲です。ノリが良いですね。そして、この曲もこの日しか演奏されませんでした。

 

今回もポールは、全39曲を水分補給せず、アンコールで一度ステージから降りた以外は出ずっぱりでした。結論を出すのは、この時点ではまだ早いのですが、ポールの姿勢はほぼ分かりました。従来のセットリストを見直しただけでなく、例え同一都市でのツアーであっても、日程によって曲を差し替えるという姿勢に転換したんです。

(続く)

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