ここからやっと、エアではない本当の体験記を書くことができます(^_^;)
1 東京ドームへ!
さあ、いよいよ会場入りです。まずは、スーツケースをコインロッカーに預け、リュックサック一つで身軽になりました。
グッズ売り場は土曜日ということもあり、長蛇の列でした。グッズを買いたい人は早目に会場へ行った方が良いですね。あ、もちろん、また彼が日本でライヴをやってくれることが前提です。私は、あまり物欲がないたちなんですが、せっかくなのでいくつか購入しました。
Tシャツが黄ばんでみえるかもしれませんがホントは真っ白です!撮影と修正が下手ですいませんm(_ _)mそれより、このTシャツの背中を見てください!2016年~2017年のワンオンワンツアーの東京までの日程がびっしり書いてあります。何と33か所ですよ!
そうです、ポールは、世界中でツアーをやってるんです。アメリカは国がでかいからまだしも、日本にいかに何回も来てくれてるかが良く分かります。だって、世界中の都市でこれだけが選ばれただけなんですから。しかも、前回まではここに大阪と福岡まで入ってたんですよ!
ドーム正面の22番ゲートの上部にモニターがあり、ポールのライヴにかける想いをコンパクトに紹介しています。ぜひ、これは多くの皆さんに観て頂きたいですね。なぜ、彼がライヴを続けるのか、ライヴに参加することがどれほど素晴らしいことかが良く分かります。
その後、フェイスブックのファングループの呼びかけで、ライヴの前に記念撮影会がありました。関西在住の方なら会う機会もあるかもしれませんが、それ以外の地域の方とはまずお会いすることはないので、貴重な機会でした。
日頃はフェイスブックでしかお目にかかれないファンの皆さんと交流できました。こういう時くらいしかないですもんね、全国のファンが一堂に会するのは。それにしても見ず知らずの人がこれだけ集まるんですから、ポールの引力は地球並みですね。
恐らく著名人も沢山来ていたと思いますが、誰とも遭遇しませんでした。何しろ5万人が押し寄せてるんですからね。元SKE48の松井玲奈さんが来ていたのは、ご本人がTwitterに投稿していたので後で知りました。
2 いよいよ会場内へ
さて、会場へ入ります。29日は残念ながらアリーナではないスタンド席でしたが、会場は、もう薄暗くなっていて座席を探すのに苦労しました(^_^;)通路までは分かるんですが、列がどこか分からない。結局、スタッフに誘導してもらいました。
サウンドはどこでも聴けるし、でっかいスクリーンもあるし、ちゃんと双眼鏡も用意してます。ポールと同じ空間にいて彼のパフォーマンスを観られれば良いんですから。スマホの写真撮影はOKなのでこれもスタンバイして、後はオープニングを待つだけです。とはいえ、1度で良いからアリーナの最前列で柵に寄りかかって、場内のスクリーンに大写しされてみたいもんです。
今日は、スタンド席だったため、おとなしく座っていないといけないかと思いました。しかし私の前の男性が立ち上がったので、これ幸いと私も立ち上がりました。幸いなことに通路の階段側の席だったので体をずらすことで、後のお客さんに遠慮せずに済みました。
なお、以下の記事は、記憶に頼って書いてますので間違いがあるかもしれませんが、その辺りはご容赦をお願いします。
3 ポール登場!
そうこうしているうちに会場の照明が消えました。そして、ステージ両サイドのスクリーンに愛用のヘフナーが大写しになりました。キタ~!いよいよだ!相変わらず写真が下手ですいません。皆さん、綺麗に撮影してますけどどうやって撮ってるのかな?
4 怒涛のパフォーマンスが開始!
オープニング
ポールは、左腕を高々と突き上げ、観客席に背を向けました。シンバルのチッチッチッというリズムを合図にチャ~ンとあのイントロが。「ア・ハード・デイズ・ナイト」です!今回のツアーは、これで統一するようです。これは、ポールと史上最強のコンビを組んだジョン・レノンがメイン・ヴォーカルの曲です。
ポールは、1976年にウィングスとして全米ツアーを開催した時も、ジョージのサムシングを演奏したことはありましたが、ソロになってからのツアーでは、自分がメイン・ヴォーカルを担当した曲以外の曲は殆ど演奏していません。
このことについてポールは、2016年のニューヨーク・タイムズ紙の取材にこう応えています。「私は、今まで自分がメイン・ヴォーカルを担当した曲以外の曲は歌わないことにしていた。それは今でも変わらないんだが、ジョンがメイン・ヴォーカルを担当した『ア・ハード・デイズ・ナイト』を歌い始めたんだ。もちろん、みんなが知っているようにこれはジョンの曲で、私が少し手伝った。それは、『ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オヴ・ミスター・カイト』も同じだ。結局、それらはどちらを演奏しても遜色がない位良い曲だ。私は、この曲のベースが複雑でメロディーを歌いながら弾くのは不可能だから歌わないと言っていた。というのもこの曲のメロディーは対位法を使っているんだ。でも、結局、私は、弱気になるのを止め、できるものならやってみようと思ったんだ。気持ちを奮い立たせ、練習した。」
他に演奏できない、あるいはしないビートルズの曲があるかと質問されると、「たぶん、できない曲はたくさんあると思うよ。私は、自分の曲ばかりを演奏していたからね。他のメンバーが作った曲で嫌いなものなんか一つもない。私は、ビートルズがやったこと全てのファンなんだ。私は趣味が良いからね。」彼は続けて、最近になってもあの頃に作ったり、レコーディングしたりしたものとそれ程変わっていないと感じると語っています。
「奇妙なことにそれ程変わっていないんだ。いい加減飽きが来て『もう止めた!』ってなるかなとも思う。でも、演奏し始めると自分が若かった頃にやったことを見直してみるんだ。するとラインにしてもフレーズにしても感激して、この若いヤツはやったなって思うんだよ。」
以前は殆どやらなかったジョンやジョージがメイン・ヴォーカルを担当した曲を歌うようになった経緯について語っています。このインタヴューの応えと今日、そして最終日のパフォーマンスを合わせてみて、ポールが重大な決意、すなわち「ビートルズの遺産は自分が後世に伝える」という覚悟を見ることができました。
今までは自信がなくて手が出せなかったんですね。それは、彼がいうようにクオリティーを保つことが難しいことに加え、同じビートルズファンでもジョン、ジョージ、リンゴ、それぞれのファンがいるからです。彼らがメインボーカルの曲をポールが演奏することは、彼らのファンの反発を招いてしまうリスクもあるわけです。
しかし、ボールは、あえてそのリスクを背負う覚悟で臨んだのでしょう。私は、ビートルズ時代の「キャリー・ザット・ウェイト」の歌詞を思い浮かべました。「Boy, you're gonna carry that weight. Carry that weight, a long time.君はその重荷を背負って生きていくんだ。これから長い間ずっと」。そう思うと胸が熱くなり、涙がこぼれそうになりました。
74歳で、大成功を収めた彼がそんなリスクを背負う必要はサラサラないのです。今まで通り決まったセットリストをやっていれば、それだけでファンは満足してくれるはずです。しかし、彼は、大きな決断をしたのでしょう。今までと同じことをやっていたんじゃダメなんだ、新たなチャレンジをするんだと。
ポールは、センターマイクで「コンカイモ、ニホンゴ、ガンバリマス!」「オッス」と告げると、観客から万雷の拍手が。日本語のMCの時はいつも左下を見てますが、おそらくその辺りにモニターがあるんでしょうね。相変わらずたどたどしい日本語ですが、変に流暢に喋られるより彼らしくていいと思います。
3曲を終えると、英語を挟んで再び「ボク、ポール・マッカートニー」と自分の名前をあえて日本語っぽく発音して自己紹介しました。これも初めてだと思いますが、結構受けましたね。日本人スタッフのアドヴァイスでしょうね。
8曲目 マイ・ヴァレンタイン
ポールが2012年に制作した楽曲です。これは、現在の妻であるナンシーとまだ結婚する前に、モロッコで過ごしていた時に彼女との会話にヒントを得て制作しました。「コノキヨクハ、オクサンニツクリマシタ」というMCでファンの笑いを誘っていました。
巨大スクリーンにはプロモーションビデオの映像が流されていました。因みにこのプロモに登場しているのは、俳優のジョニーデップとナタリー・ポートマンで手話を披露しています。しっとりとしたいい曲です。
14曲目 ラヴ・ミー・ドゥ
やっぱりこれですね。なぜか日本ではなかなかやってくれませんでした。何といっても、イントロと間奏のハーモニカのブルージーな響きが心に刺さります。記念すべきビートルズのレコードデビュー曲ですが、チャート17位止まりでした。しかし、今となっては歴史に残る曲となりました。不思議なものですね。チャート1位を獲得してももう誰も覚えていない曲もたくさんあるというのに。
19曲目 クイニー・アイ
2013年に発表された曲です。ポールの凄いところは、今なお創作意欲が全く衰えず、次々と新作をリリースしているところです。この曲も結構キーの高い曲ですが、あの歳でまだ制作して演奏するんですから信じられません。
36曲目 アイ・ソー・ハー・スタンディングゼア
この曲もこの日しかやりませんでした。ノリノリのナンバーで会場の観客も一斉に踊り出しました。もちろん、私も通路の階段のあたりで踊りましたよ。
37~39曲目 ゴールデン・スランバーズ、キャリー・ザット・ウェイト、ジ・エンド
ポールは、観客に腕時計を見せるしぐさをしながら「モウ、ソロソロ」と語りました。これもこのツアーで初めての日本語ですね。分かってるんです、もう終わりなのは。でも、名残惜しい。終わって欲しくない。しかし、時は非情です。待ってはくれません。
心地よい余韻に浸りました。そして、ファングループの方と飲みに行き、ビートルズ、ポール談議に花を咲かせました。至福の時ですね。さあ、明日は最後だぞ。同じ時は2度と来ないんだ。心して聴けよ、と自分に言い聞かせつつ帰路につきました。
(参照文献)Real Rock News
(続く)