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ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(188)ポール・マッカートニーが語るビートルズ時代の楽曲の裏話(その1)

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1 人生初の作品「I Lost my Little Girl」

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ポール・マッカートニージョン・レノンとともに制作したビートルズの曲について、GQという男性ファッション雑誌のインタヴューに応えて当時を振り返りつつ語りました。以下は、2018年9月12日に公開された彼の発言の要旨です。

「二人で何曲ぐらい作ったのかとよく聞かれるんだけど、はっきり覚えていないんだ。300曲ぐらいかな?」

「僕たちが曲を作る時は、リハーサルせずに演奏を始めて、その日に出来上がるまでやめなかった。僕がロックンロールっぽい曲として、『I Lost my Little Girl』を作ったんだけど、簡単な三つか四つのコードしかなかった。」

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「僕がまだ10代前半の頃に、ギターを持ち出してきてコードを覚えたんだ。G、G7、CとFだった。それでこの曲を作って、『I Lost my Little Girl』というタイトルをつけた。」

「みんなが僕に少年の頃に亡くした母親のことを歌ったのかと聞いたんだ。僕は、心理学者じゃないから分からないけれど、その時はそんなつもりじゃなかった。もしそうだとしたら、それは『Yesterday』のことだと思う。」

 

ポールが母親を病気で亡くした直後にこの曲を作ったので、人々がその悲しみを表現したのではないかと思ったとしても不思議ではありません。lost(失った)と歌ってますからね。しかし、彼は、明確ではないもののそれを否定しました。

彼は、生まれて初めて手に入れた最初のギター、Framus Zenith (モデル17)のアコースティックギターを使ってこの曲を製作しました。

この曲は、1956年にポールが生まれて初めて作曲したものとして知られています。彼は、上記の4つのコードを使っただけだと話していますが、実際には AmとEmも使われています。

ジョンがリードヴォーカルを担当して演奏するヴァージョンは、Get Backセッションでレコーディングされ、アウトテイクとなっています。

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2 「Yesterday」誕生秘話

(1)夢で思いついたのではなかった?

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「Yesterdayを作った時は、僕の頭の中で二つのメロディーが浮かんだんだ。でも、その時には歌詞は全く思いつかなかった。それで、とりあえず『Scrambled Eggs』というタイトルにしておいたんだ。」

「僕が記憶していることと、多くの人たちが言っていることが食い違っていることがある。多くの人たちは、僕がこの曲を夢の中で思いついたと言っている。だけど、僕の頭の中ではこのメロディーがずっとぐるぐる回っていたんだ。

「それでピアノの前に座ってそれを思い出しながら、2か月後にコードを振り、Yesterdayというタイトルを付けた。」

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おやおや、なんだか話がややこしくなってきましたね(^_^;) この曲は、ポールが夢の中で思いついて、ベッドから起きて忘れないうちにメモに書き留めたというのが通説です。彼自身がそう語っていたはずですから。完成までに数か月を要したことは否定していませんね。

おそらく、夢で思いついたことを全否定したわけではなく、ただ、突然思いついたというよりは、きっかけは、夢だったのかもしれないけれど、ずっとこのメロディーが彼の頭の中を巡っていたということなのでしょう。

(2)ジョンとの共作だった?

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「ジョンと僕は、お互いに自分たちが作った曲を見せ合っていた。そして、この曲を思いついた時もジョンに見せたんだ。そこから一緒に曲作りを始めて二人で完成させた。つまり、この曲は、早い時期でのレノン=マッカートニーの共作ということになる。」

あれあれ、これも今まで語られてきたことと違いますよ💦今までは、彼が単独で作ったとされてきました。

 

ジョンは、1966年に「最後にリボンを結ぶのを手伝った」と語っています。つまり、最後の仕上げを手伝ったということですね。しかし、その後の1980年のインタヴューでは「あれはポールの曲だ。ポールの子どもさ。よくやったよ。美しい。私は、自分にはあんな曲は書けないと思った。」と語っています。

リンゴも同じことを証言しています。「Yesterdayは、もちろん、ポールが作ったんだ。歴史に残る名曲さ。なんてやつだ!」

それを今になって本人がちゃぶ台返しですか?(苦笑)う~ん、そこは「ポールの単独制作」ということでいいんじゃないかなあ~。ジョンも認めてるんだし。

3 And I Love Her

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「僕が300曲と言ったのは、ジョンとの共作という意味だ。僕はもっとたくさん書いた。申し訳ないことに忘れちゃったけどね。」

「『And I Love Her』は、僕が書いてスタジオに持ち込んでみんなに見せたんだ。すると、プロデューサーのジョージ・マーティンが『切なさを伝えるようなイントロが欲しいな』と意見を言った。」

「それで僕らは、車座になって考え始めた。そしたら、ジョージがあの♫Do Do Do ~というイントロを思いついたんだ。」

「僕たちの曲作りは、大体そんなやり方だった。どんなレコードになるか誰も知らなかったんだから。ジョンと僕は、前の週に自分たちで作っていたから知っていた。でも、プロデューサー、ジョージとリンゴは知らなかった。だから、彼らの前でこんな風に(ギターを弾く真似をして)演奏してみせたんだ。」

「20分ぐらいデモ演奏すると彼らは『OK』と言った。そこからレコーディングを始めたんだ。それが一番手っ取り早くてクールなやり方だった。僕がリフのない曲を作ったら、みんながそれに合うリフを作ってくれた。」 

4 「Eleanor Rigby」誕生秘話

(1)幼少期の思い出

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「幼い頃、僕は、共同住宅に住んでいた。そして、そこにはたくさんのおばあちゃんたちがいたんだ。僕は、彼女たちと一緒に座って、第二次世界大戦にまつわる色んな話を聞かせてもらった。」

「ある外出できなくなってしまった一人のおばあちゃんのために買い物に行ってあげたことがある。孤独で年老いた女性の印象が強く僕に残った。そして、僕は、何年にもわたってそういう人たちをたくさん見てきた。」

ãengland old poor women 1958ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ「彼女たちが孤独だったことが、僕に彼女たちを強く印象付けることになったのかどうかは分からない。ただ、彼女たちがどんな人であるかは分かった。それで僕は、この曲を『年老いた女性が教会の外で米粒を拾っている』というシーンから書き始めたんだ。」

「彼女は、人生で夢を描くことなどなかった。そして僕がマッケンジー神父を付け加えて、二つのキャラクターが登場することになった。この短いストーリーに彼を登場させたことは良かったと思っている。でも、主人公は、あくまで年老いた女性だけどね。」

 

「これをジョンのところへ持って行って仕上げにかかったんだ。そしたら彼は、『マッカートニー神父』にしたらどうだというんだ。僕は嫌だと言ったよ。だって、それじゃあ僕の父親のことになってしまうからね。彼は、自分が曲に登場することを拒否していたし。」

「それで僕たちは電話帳を持ってきて、マッカートニーから順番に下へ名前を探していった。そしたらマッケンジーという名前を見つけた。これがいいということになった。」

(2)主人公の名前をどうやって思いついたのか?

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「正確に自分の想いがリスナーに伝わる歌詞を作ることは難しいんだ。(エリナ・リグビーのメロディーを口ずさみながら)Barbara HawkinsとかMiss Daisyとかいろんな名前を思いついたけど気に入らなかった。それで、他の名前を色々探し回ったんだ。」

「奇妙に聞こえるかもしれないけれど、Eleanorという名前は、僕たちと映画『ヘルプ!」で共演した女優のEleanor Bronからヒントを得たんだ。」この女優ですね。

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姓のRigbyの方は、ブリストルにたまたま行った時にRigbyという名の店を見つけた。この二つを結びつけて『Eleanor Rigby』、よし、これを主人公の名前にしようってことになった。」

「みんなが知っているように、その後いろんな人がこの名前について調査した。ジョンが以前住んでいた自宅の近くに教会の墓地があり、Eleanor Rigbyの墓標があった。僕が無意識にその名前を記憶していたなんてことはないし、調査したわけでもない。偶然の一致だった。しかし、リヴァプールに墓標があることは事実だ。」

ポールが語ったように本当に偶然だったのか、それとも天国のEleanor Rigbyが自分のことを彼にインスパイアさせて書かせたのか…。そうだとすると、ちょっとオカルトめいてきますね(^_^;)

 

(参照文献)GQ

(続く)

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