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★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(その87)日本のファンは、ビートルズをどう受け入れたか?(その1)

2016年9月25日、京都の七条でビートルズ愛好家の野口敦さん、藤本国彦さんの講演をお聴きする機会に恵まれました。この本を執筆した方です。

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貴重なお話を聴くことができましたので、皆さんにお伝えします。まずは、武道館公演についてです。


1 武道館公演ではギャラが足らなかった!

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(TERAPEAK)

正確にいうと、「ギャラが足らなかった」のではなく、「イギリスへ送金するギャラが不足した」ということです。


当時は、日本から海外へ送金する際の金額の規制が厳しく、全額を払えなかったそうです。そこで裏のルートを使って送金したとか。今なら外為法違反に問われかねませんが、当時はそんな裏のルートがあったんですね。


2 契約書は行方不明になっている
ビートルズの4人、ブライアンと日本の佐久間、永島がサインした契約書が中部日本放送に保管されていたのですが、いつの間にか行方不明になったそうです。誰かが盗んだんでしょうか?もし、現存していればコレクターにはたまらない代物ですが。


3 日本でもスクリーンに飛び込んだファンがいた!

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(theguardian)

映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」が公開された時、興奮したファンがスクリーンに飛び込んだという話は有名ですね。


欧米だけの話かと思ったら、日本のファンでも同じことをした女性がいたんですね。その人は、日本のあちこちの映画館を回り、その度にスクリーンへ飛び込んだそうです。


ある映画館では、勢い余ってスクリーンを破いてしまい、スタッフからこっぴどく怒られたとか。そりゃ、そうですよね(笑)幸い、賠償はしなくて済んだそうですが。

 

実は、講師がこのエピソードを以前に他の講演会場でされた時に、会場に来ていた女性が手を挙げて「それ、私です。」と名乗り出たんだそうです。


その人のスゴイところは、全部の映画館の壁の感触を覚えていることです。ここは堅いから程々にしとかなきゃダメだとか、ここは柔らかいから大丈夫だとか。東京の人なんですが、千葉県、神奈川県、埼玉県や中部地方も回って、何十回も観たそうです。


その人は、まだまだスゴいエピソードがあって、映画館でビートルズの映画の封切りの一週間前に、全く無関係な映画を観に行ったそうです。何でそんなことをしたか、分かりますか?もし、分かったら相当感カンが良いですよ。


何とその人は、ビートルズの映画が封切られる一つ前の映画を観て、ビートルズの映画の予告編を観ていたんだそうです。いやはや、そこまでやるかって感じですね。その人は、武道館公演の時は、親がうるさかったので「宝塚に行く」と嘘を付いて行ったんだそうです。

 

4 生徒と親、教師との闘い

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(TIME)

その頃、中学生や高校生だった人は、公演に行かせないようにしようとする親や教師と闘うために、涙ぐましい努力をしたんですね。特に、多くの高校生は、武道館公演なんかに行ったら停学か退学だと脅されていたそうです。何とか教師にビートルズを理解して欲しい一心で、生徒たちは一生懸命知恵を巡らせました。

 

千葉県に住んでいた人は、音楽の教師がビートルズを大嫌いだったんです。それで誰の曲かは言わずに「イエスタデイ」の譜面をその教師に渡して、素知らぬ顔でピアノで弾いてみて下さいと言ったんです。そして、教師が弾いてみて「あら、素敵な曲ね」と誉めると、「先生、それビートルズの曲なんですよ。」と種明かししてギャフンと言わせたそうです(笑)

 

堅物の教師ばかりでも無く、結構大目に見てくれた教師もいたようです。ある教師は、「君は、ビートルズのコンサートに行くの?正直に言いなさい。」と生徒に尋ね、生徒がもうダメかと観念して「はい」と素直に答えると、「じゃあ、気を付けて行って来なさい。」と送り出してくれたとか。

 

また、ある教師は、来日直前の27日に「君は、どうせ30日は風邪引くんだろ?」と生徒の行動を見透かしつつ見逃してくれたとか。何だか微笑ましい心温まるエピソードですね。

 

また、ある女性は、たまたま大阪に住んでいる文通友だちが、武道館公演に行くためにお父さんと一緒に東京へ来てヒルトンホテルに宿泊していたんです。ところが、彼女と一緒に来た友人が公演へ行けなくなったので代わりに行くことになり、たまたまビートルズが宿泊しているホテルに宿泊したんですね。

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(Music-Graffiti)

ビートルズは、10階を貸し切っていたので、そこは厳重にガードされていて上がれません。それで、9階まで登っては降りるということを何度も繰り返しました。上の階にビートルズがいると思っただけで興奮して眠れなかったそうです。

 

5    ある高校生の武道館公演体験談
講演会の中で講師が「この中で武道館へ行かれた方はいますか?」と質問すると、一人の男性が手を挙げました。

 

その方は、高校3年生の時に退学を覚悟で同級生と2人で行ったんだそうです。正門はがっちり閉鎖されてい突破できなかったので、塀を乗り越えていったとか。まるで囚人の脱獄ですね。

 

京都から東京まで行き、浅草の知人の家に泊めてもらったんだそうです。チケットは、その当時存在した京都音響という会社にコネがあって、そこから回してもらったんだとか。いやあ、あの頃はコネでチケットを手に入れられたんですね。

 

一番恐れていたのは警察に補導されることでした。大学生なら大丈夫なんですが、中高校生が保護者の元を遠く離れてうろついていると分かると補導されてしまいますから。幸い、そこは何とか無事に通過して武道館へ入ることができました。

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(The Japan Times)

そして、7月2日の最終公演でビートルズを目の前で観たのですが、残念ながらその時の記憶は全くないんだそうです。やはり、あまりの興奮で頭が真っ白になっちゃったんでしょうね。っていうか、演奏そのものが観客の歓声で殆ど聴こえなかったそうです。


(Snippets) The Beatles - Live At The Nippon Budokan Hall - June 30th, 1966

今、我々がその当時の映像を観ると、いかにも演奏がちゃんと聴こえていたかのように思いますが、その場にいたら物凄い歓声でとても聴こえなかったようですね。あの静かだったように見える武道館ですらそうだったんですから、アメリカやヨーロッパのツアーがどれほど凄まじかったのかが分かります。

 

ただ、それでもベースの音だけは、はっきり聴こえたそうです。アンプが良かったのかポールのテクニックが良かったのか。ただ、ポールって普通のベーシストが弦を指で弾くところをピックで弾いてましたよね。それで良くサウンドが響いたのかなとも思います。そういえば、彼のベースラインの中でも傑作に入る「ペイパーバックライター」を演奏してましたね。講師によれば、この男性が聴いた7月2日の最終公演が、来日公演の中では一番出来が良かったそうです。

 

今や武道館は、武道を学ぶ人々の聖地であるとともに、日本のアーティストにとっても聖地になっています。ここでコンサートを開くことが一流のアーティストとして認められたという証拠になりました。「いつかは武道館でコンサートをやろうぜ!」これが明日を目指す若いミュージシャンたちの合言葉になっています。そのキッカケを作ったのがビートルズだったのです。

(続く)

 




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