1 東京ドーム行ってきたぞお~!
2018年10月31日、11月1日に東京ドームで開催されたポール・マッカートニーの「フレッシュン・アップ・ツアー」に参加しました。早速、その詳細を報告します。
当然のことながら、ライヴの内容が記事に含まれていますので、これから両国国技館、そして、名古屋ドームで開催されるライヴに参加される方は、その点をご了承の上でご覧ください。
私は、「事前に情報を仕入れない主義」なんです。今回はどんな曲をやってくれるのか、どんな演出をしてくれるのか、ワクワクしながら観たいので、できるだけそういう情報は事前に目にしないようにしています。それを先に知ってしまうと、ちょっとガッカリしちゃうんで。
でも、私とは逆に予習しておきたいという方もいます。というか、そちらのタイプの方の方が多数派みたいですね(^_^;)そういう方は、ガンガン読んじゃってください。
2 FRESHEN UP TOURの意味
(1)ツアーのタイトルに込められたメッセージ
今回のツアーのタイトルが「FRESHEN UP TOUR」だと知って、私は、これはポールが何か新しいことをやるつもりだなと直感しました。
FRESHEN UPというのは、シャワーを浴びるとか着替えるとかしてさっぱりするという意味です。ということは、「今までとはツアーの内容を変えるよ」という彼のメッセージが込められていると受け止めるのが普通です。あれ、そう思ったの私だけ?まあ、いいや(笑)
(2)セットリストの変更か?
そこで、まず考えられるのがセットリストの変更ですよね。「マンネリだ」「定番の曲もいいけど他の曲も聴きたい」というファンの声は、当然、彼の耳にも沢山届いていました。
ただ、悩ましいのがビートルズ時代、それもアーリー・ビートルズから現在までの楽曲を加えると、あまりにも数多くの楽曲がレパートリーの中にあることです。どれを選んでどれを外してもファンから文句が出るのは避けられません。それに、近年は、ジョンがメインヴォーカルを担当した曲まで演奏するようになりましたから、なおさら大変ですよね(^_^;)
ニューアルバムが出たばかりですから、当然その中から1、2曲は演奏するだろうというのは誰しも予想するところでしたが。
(3)演出の変更か?
次に考えられるのが演出ですね。元々彼は、サウンドを磨き上げることに徹底的にこだわり、演出にはあまり凝らない方ですから。強いパワーを持った楽曲が豊富にあるので、演出に凝る必要がなかったからかもしれません。それと、ポールが自分たちのサウンドに集中して欲しいという想いも強かったのでしょう。
主な演出としては「Live And Let Die」の時にドカ~ンとファイヤーが燃え上がる、MCの時に両サイドのスクリーンに日本語訳を入れる、後はファンをステージに上げて会話するぐらいですかね?
もっとも、他のアーティストがよくやるサプライズゲストの登場も考えにくいですね。多くのファンは、ポールを観たいのであって、ゲストアーティストを観たいわけじゃありませんから。そのことは、彼自身が熟知しています。
ただ、ここは、正直やろうと思えば何でもできるので、予測することは全くできませんでした。
さあ、ここからいよいよネタばらししちゃいますよ(笑)
3 ホーンセクションをついに導入!
(1)ソロとしては日本初!
彼のソロ公演では、日本で初めてとなるホーンセクションを導入しました。おそらくグランドセントラル駅でのライヴが世界初だと思います。その後、ケベックでも導入しました。
これは画期的なことです。ソロになってからの彼は、レコーディングはともかくステージでのメンバーは固定していて、サポートメンバーを加えることはまずありませんでしたから。
その理由は分かりません。推測ですがストイックな彼のことですから、何年も一緒にツアーを続けているスキルを信頼できて気心の知れたメンバーでなければ、満足のできるサウンドを出せないという強い信念があったのかもしれません。
(2)ウィングス時代にはあった
1975年、76年、そして、79年のツアーでは、ポールは、ウィングスを率いて4人の強力なホーンセクションを加えていました。
そして、彼らは1980年の日本ツアーでも演奏するはずだったんです!ところが、日本に入国する時にポールがマリファナの不法所持で逮捕、強制送還されてしまい、はかない夢と消えてしまいました。
その当時のホーンセクションは、「Lady Madonna」のようにオリジナルでホーンセクションが加わっている曲だけでなく、「Yesterday」のストリングスの部分なども担当していました。
メンバーの一人は、ハウィ・ケーシーというリヴァプール出身のサックス奏者でした。彼は若い頃、ビートルズと同じようにドイツのハンブルクのカイザーケラーというクラブで演奏していました。
ビートルズは、メジャーデビュー前のアーリー・ビートルズの時代に、1回目のハンブルク巡業で放火の疑いをかけられ、逮捕され、イギリスへ強制送還されてしまいました。そのことが問題となって(他にもたくさん問題はありましたが)2回目のハンブルク巡業が難しい状況になっていたのです。
そこで、ケーシーは、当時、ビートルズのマネージャーだったアラン・ウィリアムズに手紙を書き、彼らは、大事なステージをぶち壊しにするようなことはしないから、何とかハンブルクに行けるよう手配してやってくれと頼みました。
彼はまだ健在で、最近、「Beatles With Wings」という14人で構成されたバンドを結成し、ビートルズとウィングスのトリビュート・バンドとしてツアーを行っています。
(3)ホーンセクションのド迫力!
結論から言うと、ホーンセクションの導入は大成功だったと思います。サウンドに重厚さときらびやかさの両方が加わりましたし、ビジュアルもかっこよかったです。
そして、我々を楽しませてくれたのが、ホーンセクションが何とステージではなく、アリーナの通路から登場してそこで演奏したことです。まるでマーチングバンドじゃないですか!この粋な演出には感動しましたね。
私が事前に情報を仕入れないのは、正にこういうサプライズがあるからなんですよ。こういう演出があるって先に知っちゃたら、興奮が半減してしまうので。
サックスのお兄ちゃんのドヤ顔がスクリーンでアップされてましたが、あれだけのパフォーマンスを聴かせられれば、ドヤ顔されても納得でした(笑)
次のライヴでは、ストリングスの導入が期待されます。私は、ミュージカルも好きでよく観に行くんですが、やはり生のストリングスは良いですからね。Yesterday、Eleanor Rigby辺りでやってくれないかな。
4 従来のセットリストを一部変更
(1)同じ開催都市でセットリストの一部を変更
もうご存知の方も多いと思いますが改めてご紹介します。従来のセットリストに変更を加えていることも注目すべきポイントなんですが、さらに重要なことは、初日と二日目で一部を変更していることです。これ結構大事なんですよ。両方に参加したファンにしてみれば、違う曲を聴けるわけですから。演奏する方は大変ですけどね。
アーティストもいろんなタイプの人がいて、絶対セットリストを変えない人もいれば、そもそもセットリスト自体を作らない人もいます。しかし、小さなライヴハウスならともかく、5万人近い観客の前で、セットリストを作らないで演奏するのはさすがに無謀すぎますよね(^_^;)PAやスクリーンなど、色々なシステムの設定や運用などの問題もありますし。
以前のポールは、同じ開催都市でのライヴでは、セットリストを変更しませんでした。例えば、2009年12月16日と17日にドイツのケルンでライヴを開催しましたが、アンコールも含めて37曲全く同じセットリストでした(30曲目と31曲目の順番が入れ替わっただけです)。
ストイックな彼のことですから、完璧な仕上がりでないとお客さんの前では演奏できないという強い想いがあり、これまでは、極力セットリストを変更してこなかったのではないかと思います。
比較的最近になって一部の曲を入れ替えるようにしましたが、それでも2曲ぐらいでした。おそらく、昨年の日本公演の辺りから、もっと多くの曲を入れ替えることを実験的にやり始めたのではないかと思います。
(2)日本のファンは、ライヴのチェックをしているのかもしれない
ここからはあくまで私の仮説です。「ポールは、日本の観客の反応を見ながら実験しているのではないか?」ということです。
なぜそう推測するかというと、常日頃から彼は「日本のファンは、ライヴでとても暖かい反応を返してくれる」とインタヴューなどで応えています。つまり、大胆な実験をして仮にうまくいかなかったとしても、手厳しい批判を浴びることは少ないと考えているのかもしれません。これが他の国、特に欧米などでは失敗すると手厳しく批判されますからね。
誤解しないでいただきたいのは、どちらが良いとか悪いとかという次元の話ではなく、観客の反応の仕方がそれだけ違うということです。
もし仮に、私の仮説が当たっているとすれば、日本のファンにしてみれば喜ばしいことだと思います。彼の新たなチャレンジを本番のステージで、他の国のファンに先駆けてチェックできるからです。世界中の誰よりも先におろしたての新鮮なネタと腕前を味わわせてもらっているようなもんですよ。
あ、いけない、ライヴの内容に入る手前で終わっちゃった💦
(参照文献)THE DAILY BEATLE
(続く)
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