★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

(号外)フレッシュン・アップ・ツアー参戦記(まとめ)

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1 ハプニング

(1)仕込みか?

二日目には思わぬハプニングがありました。「Eleanor Rigby」を演奏し始めた時です。ポールが♫Ah~Look atと歌い始めてから、両手を振って演奏を止めました。演奏を中断するなんて珍しいですよね。ポールは、すかさず「今のでこれがライヴだってことが分かっただろ?」とジョークを飛ばして観客の笑いを誘っていました。

私は、最初「これは仕込みじゃないのか?」と疑いました。つまり、ポールがわざと間違えて笑いをとるという設定ですね。だって、あまりにもできすぎてましたから。

ポールは、ビートルズ解散後にウイングスを結成し、ライヴも盛んに行いましたが、始めの頃は、ビートルズ時代の曲を演奏することを固く封印していました。

しかし、ついにその封印を解いてあの名曲「Yesterday」を演奏しようとしたのです。観客もそれが分かって興奮し、会場は一時騒然となりました。とても静かにバラードを聴けるような状態ではなかったんです。そこで、ポールが機転をきかせて出だしで違う曲を歌いかけ、興奮する観客を落ち着かせたんです。

その記憶があったために、今回もわざと間違えてジョークにしたのではないかと勘ぐりました。

 

(2)本当に間違えた

しかし、これは私の勘ぐりすぎで、どうやら本当に間違えたというのが真相のようです。ポールがカウントしてからキーボードのウィックスが演奏し始めなければいけないのに、彼がフライングして演奏し始めてしまったようです。

その時の動画で確認しみると、最初はポールがまだカウントしていないのにウィックスがスタートしていますね。2回目は、ちゃんとポールがカウントしてからスタートしています。

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2 楽曲について

(1)A Hard Day’s Night

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オープニングの定番になった感がありますね。盟友ジョン・レノンビートルズ時代に制作した名曲の一つですが、ポールは、敢えて彼の曲を演奏することは避けてきました。「彼の聖域に踏み込んではいけない」と自制してきたんです。

しかし、ある時からその封印を解くことにしたのです。ビートルズのメンバーで生存しているのは彼とリンゴだけですが、リンゴは、ビートルズ時代に作曲もメイン・ヴォーカルもあまり担当しませんでした。

となると、ビートルズ時代の曲を歌える元メンバーは、もうポールしかいません。そこで彼は、「ビートルズのレガシーを後世の人に残さなければならない」と意を決して、ジョンの楽曲もセットリストに加えることにしたのです。

もちろん、ポールは、ジョンの熱烈なファンからの批判があることを百も承知しています。ポールがそれを恐れるなら、安全運転に徹して自分の曲だけを演奏していればいいだけの話です。それでも彼は、敢えて勇気を奮って彼の曲を演奏しているんです。

ビートルズを知らない一般の人がジョン・レノンと聞くと、真っ先に「Imagine」を思い浮かべると思います。確かに素晴らしい名曲ですが、あれは彼がソロになってからの作品であり、ビートルズ時代の作品ではありません。

いかに彼が過去を振り返らなかったとはいえ、ファンにとっては大切な作品が一杯残されています。また、それらを聴いてこれからファンになる人も全世界にいるでしょう。ビートルズの元メンバーで、その伝道師の役割を果たせるのはもうポールだけです。

私は、ステージでジョンの曲を演奏する彼の姿を見ると、いつも「Carry That Weight」の歌詞を思い浮かべるんです。「Boy you’re gonna carry that weight. Carry that weight, so long time.(君はその重荷を背負っていくんだね。これから長くずっと。)」

ポールは、「ビートルズのレガシー」という重荷を一身に背負って、ステージに立ち続けているのです。

 

(2)Letting Go

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今回の見所、聴き所の一つはこの曲でしたね。ホーンセクションがここで登場したんです。しかも、ステージではなくアリーナの通路からの登場でした。この粋な演出にはファンも大興奮でした。

私は、サウンドが聴こえてきてもステージに彼らの姿が見えないので、キョロキョロしていました💦すると、ステージ左右のスクリーンにホーンセクションがデカデカと映し出されていました。白いライトが通路に当たっていて、それで彼らがそこにいることがわかりました。

私もアリーナにいたんですが、残念ながらホーンセクションとは離れた位置でした。彼らのすぐそばで観られたファンはラッキーでしたね。

やっぱり生だと迫力が違います。見た目のカッコ良かったですが、サウンドにも厚みが加わり、キラキラ輝いていました。これは出色の出来栄えと言っていいでしょう。

(3)Who Cares

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これは、ニューアルバム「EGYPT STATION」から新規参入です。いじめに悩む青少年に「バカの言うことなんか気にするな。」と語りかける歌詞ですが、結構パンチの利いたノリの良い曲に仕上がっていますね。

「ポールは、曲にあまりメッセージ性を込めない。」と言われがちですが、それが真実でないことをこの曲が証明しています。

(4)I’ve Got a Feeling

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これはビートルズの曲ですが、私の大好きな曲です。イントロのギターがカッコ良いのと、ポールのヴォーカルが次第に盛り上がっていくところ、そしてジョンとのコラボレーションが絶妙ですね。

この曲は、途中からジョンのヴォーカルが加わりますが、メロディーも歌詞もポールのパートとは違います。同じコード進行で二つのメロディーが同時進行する「対位法(ポリフォニック)」と呼ばれるテクニックです。これが見事にピタリとハマっています。

思えば「She Loves You」の時には二人で息を合わせて同じ歌詞を歌っていたのに、この曲は、一緒に歌っていてもメロディーも歌詞も全く別。「もうオレたちは、別々の道を歩んでいく。」その後の解散を暗示していたかのような曲ですね。

この曲の後半に差し掛かる時に、ポールが足でピートコーニッシュ製らしきエフェクターのフットスイッチを切り替える瞬間がスクリーンに映し出されました。私が見たのはナゴヤドームだけでしたが、東京ドームでも見たという証言があることから、明らかに意図的なカメラワークですね。

彼の足下での一瞬の操作ですから、スクリーンに映らない限り、殆どの観客は気づかないでしょう。それをなぜあえてスクリーンに映し出したのか、その演出の意図までは分かりません。

私の推測ですが、これはポールの意図ではなく、スタッフの意図ではないかと思います。彼らがそこで言いたかったのは、「ポールが決してライヴで手を抜かず、サウンドの細部にまで拘っている。」ということではないでしょうか?

 

 

(5)My Valentine

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「コノキョクハ、オクサンノタメニカキマシタ」これまたお決まりのフレーズですね。正面のスクリーンには俳優のナタリー・ポートマンジョニー・デップが出演する映像が映され、手話を使って曲の歌詞を伝えるシーンが登場します。

ところが、この手話、実は、間違った箇所があったそうです。ポートマンは“appear”のところで“tampon”を、デップは“Valentine”で“enemy”をあらわすポーズをとっているそうです。「tampon」というのは、そう、あの「タンポン」ですね。よりによってこんな間違いをやってしまうとは(^_^;)

プロの手話通訳者ではなく、ハリウッド俳優を起用したことが裏目に出た形ですが、それでも超有名人を起用したことは、大きな意味がありました。聴覚障害者の団体は、「ポールが、手話に対する社会の理解を深めてくれた」と感謝したそうですから。

(6)Here Today

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「ツギハジョンニササゲマス」という紹介から入ります。私は、この曲を聴く度に泣きそうになります。この曲の時に、「John is living in our hearts(ジョンは私たちの心の中で生きている)」と書いた大きなメッセージボードを持った女性ファンがスクリーンに映し出されました。

ジョンとポール、この2人の関係は、彼らにしか理解できません。誰も立ち入ることができないんだということを痛感させられます。

3 次のツアーに期待すること

(1)ストリングスの導入

ホーンセクションの導入は大正解でした。となれば、ストリングスの導入も当然ありということになるでしょう。さすがにフルオーケストラは無理としても、弦楽四重奏なら十分可能です。

これまでは、キーボードを担当しているウィックスが、ブレスで管楽器のようなサウンドを出すブレスコントローラを巧みに使って出していました。その使い方の説明を彼がしています。

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しかし、ホーンセクションの導入でその迫力が実感されました。ですから、「Yesterday」「Eleanor Rigby」辺りでストリングスを使えば、絶大な効果が期待されます。

(2)セットリストの変更

今回はニューアルバムからの楽曲が入ったため、当然セットリストは変更になりましたが、それでも大幅な変更にはなっていませんでした。豊富なカタログを持つ彼にとって、セットリストの変更は悩ましいところです。

アーリー・ビートルズビートルズウィングス、ソロと50年以上にわたって数多くの楽曲を演奏してきました。その中にはファンが演奏してほしいと熱望する楽曲がたくさんあります。

ポールは、1日の公演で36曲を演奏します。一般のアーティストに比べて、遥かに多い数ですが、これだけ演奏してもなお、セットリストから漏れている楽曲はたくさんあります。

例えば、「Another Girl」は、2015年4月28日の武道館公演で世界で初めてライヴで演奏されました。私は、その時参加していたんですが、ポールが曲の紹介で「ツギノキョクハ、セカイハツコウカイ」とアナウンスした時は耳を疑いました。「世界でまだ誰もライヴで聴いたことがない曲を自分が初めて聴けるんだ!」そう思っただけで感激しました。

しかし、この曲は、2015年を最後にセットリストから外れてしまいました。その理由は分かりませんが、あるいは、ファンの評判がイマイチだったのかもしれません。これ以外にもほとんど演奏されたことのない曲はたくさんあります。海外ツアーでは演奏しているのに、なぜか日本では演奏していない曲も数多くあります。

(3)ファンからリクエストの募集

ポールがツアーの度に頭を悩ませるのは、自分が演奏したい曲とファンが演奏して欲しい曲とのバランスをどう取るかということではないかと思います。必ずしも両者が一致するとは限りませんから。

そうであるなら、ファンから事前にリクエストを募集するのもひとつの手段だと思います。これで、少なくともファンがどんな曲を演奏して欲しいのかは分かります。ポールにとっては意外な曲が上位に上がってくるかもしれません。もちろん、それを採用するかしないかは彼次第です。

例えば、「She's Leaving Home」は、日本では2002年の公演以来演奏されていません。しかし、リクエストを募集してみれば、結構聴きたいというファンは多いのではないでしょうか?

すいません、もっと楽曲の紹介をしたかったんですが、あの「ホワイトアルバム」のお話に移りたいので、「モウソロソロ(ポールがライヴをこれで切り上げるよという意味で好んで使う日本語です)」終わりにしたいと思います(笑)

日本を去る時のファンへのメッセージです。どの国の時にもこんなメッセージを残しているんでしょうか?

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(続く)

 

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