- 1 数多くの音楽賞を受賞した
- 2 数多くの音楽賞を総ナメした
- 3 ビートルズは何回グラミー賞を受賞した?
- 4 ビートルズが「ソング・オブ・ザ・イヤー」を受賞したのは?
- 5 「最優秀ミュージック・ビデオ賞」を受賞したビートルズの曲は?
- 6 まだこれからも受賞する可能性はある
1 数多くの音楽賞を受賞した
(1)もはやビートルズに賞は似つかわしくないかも
グラミー賞に限らず、ビートルズが何らかの賞を授与されると考えると、なんだか不思議な気分になります。バンドとして、文化現象としての彼らは、どんな投票機関やトロフィーよりも大きな存在に感じられます。
ファブ・フォーが大げさな「ありがとう」のメッセージに満ちたスピーチと、音楽の流れを永遠に変えたアルバムと曲に対するわずかな謝意の象徴として贈呈される記念品とともにステージに上がる姿を想像すると、もはや彼らにはグラミー賞ですら似つかわしくない存在に思えてしてしまいます。
(2)振り返ってみると
ビートルズは、アイドル時代はともかく、アーティストとなってからは賞レースを超越した存在でした。ですから、ファンも彼らがどんな賞を獲得したかまでは、あまり関心を抱いていないかもしれません。
そうとはいえ、彼らは実際、数え切れないほどの賞を受賞しましたし、それは、活動中だけにとどまらず、解散後も受賞しているのですから驚きです。今回は、彼らの受賞歴、特にグラミー賞を中心に振り返ってみます。
2 数多くの音楽賞を総ナメした
一時期だけでなくキャリア全体を通じて、そしてグループ解散後の数年間でさえ、彼らは、ほとんどすべての主要な賞団体からトロフィーを獲得しました。NMEアワードでは、ほぼ毎年ブリティッシュ・グループとグローバル・ヴォーカル・グループの両方を受賞し、他のアーティストの脅威となっていました。また、ブリッツ賞、アカデミー賞、アイヴォア・ノヴェロ賞、そして数々の殿堂入りを果たしました。他のアーティストたちからしたら「いつまで居座るんだ、もう勘弁してくれよ」って感じだったでしょうね。
数ある音楽賞の中でも、音楽界で最大かつ最も重要な地位を確立しているのはやはりグラミー賞です。アメリカの全米レコード芸術科学アカデミーによって授与されるこの賞は、今でも音楽史における重要な瞬間であり、ノミネートされた人にとっては大きな栄誉です。当然ながら、ビートルズは、その功績を何度も讃えられました。
3 ビートルズは何回グラミー賞を受賞した?
(1)数多くの部門で受賞した
ビートルズは、その活動を通して13のグラミー賞を受賞しました。特別栄誉賞やグラミー賞の殿堂入りなどを含めると、その数は29に上ります。特別栄誉賞を除くと、23回ノミネートされています。
そのうち6つは、ビートルズがまだグループとして活動していたときに受賞したもので、5つは主要部門内での受賞でした。残りの13の主要賞は、「ベスト・ヒストリック・アルバム」や「ベスト・ミュージック・ビデオ」のような技術的または歴史的な部門での受賞でした。
(2)最優秀新人賞受賞は1965年
ビートルズがグラミー賞の「最優秀新人賞」を受賞した1965年は、おそらく彼らのキャリアの中で最も楽しい受賞だったでしょう。1965年当時、もうすでに彼らは、音楽界最大のビッグネームへの道を歩んでいたのですから、彼らを新人として称えるという発想は、今にして思えば滑稽に感じられます。
「え、そんなに遅かったの?」と思ってしまいますが、アメリカでブレイクしたのが1964年に入ってからですからそれも仕方なかったでしょう。同年、彼らは「A Hard Day's Night」で「ベスト・パフォーマンス・バイ・ア・ヴォーカル・グループ賞」を受賞しています。
4 ビートルズが「ソング・オブ・ザ・イヤー」を受賞したのは?
(1)「ソング・オブ・ザ・イヤー」は一度だけ
不朽のヒット曲を数多く世に送り出したにもかかわらず、ビートルズが「ソング・オブ・ザ・イヤー(最優秀楽曲賞)」を受賞したのは一度だけです。これは意外ですね。彼らは、1967年にリリースされたアルバム「Rubber Soul」に収録された「Michelle」で受賞しました。このアルバムは、「アルバム・オブ・ザ・イヤー」にもノミネートされましたが、フランク・シナトラの「A Man and His Music」に敗れました。
しかし、ポールが「Eleanor Rigby」で現在では廃止されている「最優秀コンテンポラリー・ソロ・ヴォーカル・パフォーマンス賞」を受賞したため、彼らは、その夜に二つのトロフィーを手にしました。これは第9回グラミー賞でのことで、最新の受賞は第66回の時ですから、文化的な力として彼らが驚異的な持続力を保持していることを証明しています。
(2)「レコード・オブ・ザ・イヤー」は受賞していない
これまた意外なことに、ポップ・ミュージック史上最高のクリエイターとして高く評価されているにもかかわらず、ビートルズは、グラミー賞最大の栄誉である「レコード・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀レコード賞)」を受賞したことがありません。二度ノミネートされましたが、トロフィーを手にすることはできませんでした。
彼らが初めてノミネートされたのは1969年、第11回アワードでの「Hey Jude」でした。何とあの名曲でも受賞していないんです。この年、バンドはサイモン&ガーファンクルの「Mrs. Robinson」に敗れました。二度目のノミネートは1971年で、彼らの最後のアルバムからの不朽のアンセムである「Let It Be」でした。この曲は間違いなく、これまでにリリースされた曲の中で最も大ヒットし、最も広く知られた曲の一つであるにもかかわらず、またしても栄誉を逃しました。これまたどういう因縁か、サイモン&ガーファンクルの「Bridge Over Troubled Water」に敗れたのです。
(3)年間最優秀レコード賞には縁がなかった
アスリートでも他の国際大会では何度も金メダルを獲得しているのに、なぜかオリンピックではメダルを獲れない選手がいます。ビートルズもグラミー賞の年間最優秀レコード賞には縁がありませんでした。
確かに、ビートルズは、「Michelle」で「ソング・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。しかし、これが単にソングライティングを称えるのに対し、「レコード・オブ・ザ・イヤー」はパフォーマンス、プロダクション、そしてトラック全体を評価するものであるため賞としては格上なのです。ビートルズがそれを一度も受賞していないのは意外です。
5 「最優秀ミュージック・ビデオ賞」を受賞したビートルズの曲は?
(1)未だに受賞し続けている
ビートルズは、そのビジュアルよりも歌と作曲のスキルで広く知られています。彼らは、マイケル・ジャクソンのようにダンス・パフォーマンスはやりませんでした。しかし、彼らのミュージック・ビデオは多くの賞を受賞しています。
今日に至るまで、彼らのバック・カタログは定期的に新しいペイントを施され、古い名曲に新しいビデオがいくつか追加されるため、バンドはまだ受賞し続けているのです。これも他のアーティストではあまり見受けられないことですね。彼ら自身のミュージック・ビデオが少ない分、逆に後世のアーティストが自由な発想で動画をフィーチャーできるのかもしれません。
(2)ビートルズ・アンソロジーが受賞
1997年に「ビートルズ・アンソロジー」がリリースされました。これは、「アンソロジー・プロジェクト」として企画され、ビートルズの結成から解散までを描いたドキュメンタリー作品として、アルバムや書籍、ビデオがリリースされました。これらには未公開だった作品も多く含まれ、彼らの足跡をたどる貴重な資料となっています。ビデオは、イギリスの映画監督であるジェフ・ウォンとボブ・スミートンが共同で監督しました。
ジョンを除いた3人と他のスタッフが、長編・短編ミュージックビデオ賞を受賞しました。ダブル・アルバム、本、ドキュメンタリーを含むこのマルチメディア回顧展は、一つ以上の長尺ミュージック・ビデオをフィーチャーし、「ロング・フォーム」賞を受賞しました。
当時、制作チームは、ジョンのデモから音源を抜粋し、亡くなった友人へのオマージュとして残りのメンバー3人がレコーディングした「Free As A Bird」もリリースしました。この曲のビデオは、同年のショート・フォーム・ミュージック・ビデオ賞を受賞しました。
6 まだこれからも受賞する可能性はある
彼らの直近の受賞は、2024年に発表されたばかりのエム・クーパーが監督した「I'm Only Sleeping」のミュージック・ビデオがグラミー賞の「最優秀ミュージック・ビデオ賞」を受賞したことです。この曲がアメリカやカナダでアルバム「Yesterday And Today」の一曲としてリリースされたのは1966年6月です。イギリスでは「Revolver」に収録されてリリースされました。
オリジナルの音楽は特に何も受賞していませんが、それを元にビデオを制作するとグラミー賞を受賞するほどのクオリティーの作品ができることが証明されました。アルバム収録曲でシングルカットされていない作品でも受賞できるとは、ビートルズの楽曲がいかに現在でもとても強いパワーを維持しているかを印象付けます。音源はそのままで60年近く経ってから動画を追加したにもかかわらず、あたかも新曲をリリースしたかのようにサラッと受賞したのです。
これならまだこれからもビートルズの音源を使って、新しい作品が制作される可能性があるということですね。次は、誰がどの曲をどんな風に使うのか楽しみです。
(参照文献)ファー・アウト
(続く)
(追記)
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