★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

まだあるビートルズの楽曲をカヴァーした作品(444)

圧巻のギターソロを演奏するプリンス

前回では紹介しきれなかった他のアーティストがカヴァーしたビートルズの作品を今回もご紹介します。ここでご紹介した作品以外にも素晴らしい作品はたくさんあるため、とても全ては紹介しきれません。

オリジナルの素晴らしさを考えるとそれをカヴァーするのはかなりのプレッシャーだと思いますが、さすが一流のアーティストたちは、まるで最初から自分の作品であったかのように見事にアレンジを加えて仕上げています。今更ながら、彼らの才能に感服せざるを得ません。

1 プリンス、トム・ペティスティーヴ・ウィンウッド、ジェフ・リン、ダーニ・ハリスン「While My Guitar Gently Weeps」

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プリンスといえばマイケル・ジャクソンと同世代のポピュラー音楽界のスーパースターですが、彼が史上最高の異次元のギタリストであったことは忘れられがちです。しかし、2004年にジョージがロックの殿堂入りを果たしたとき、プリンスは、トム・ペティらとともにこの曲を演奏しました。そして、あの歴史に残る圧巻のギターソロを披露したのです。ペティらは、彼がこの曲でソロを演奏することは事前に知っていたのですが、まさかあんな見事なソロをやるとは誰も予想しませんでした。

 

 

2 フィオナ・アップル「Across The Universe

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フィオナ・アップルは、アメリカのシンガーソングライターです。彼女は、1999年のアルバム「真実」、2005年の「Extraordinary Machine」などが成功を収めました。

1998年に制作されたアメリカ映画「カラー・オブ・ハート(原題:Pleasantville)」の主題歌として「Across The Universe」が採用されました。アップルは、ジョンの素晴らしい曲をスローダウンさせ、彼女の幻想的なヴォーカルに合わせてモダンなドラムビートを追加しました。彼女のカヴァーは、その物憂げなヴォーカルがスローモーションで動く画像にピッタリとマッチしています。

3  U2「Helter Skelter」

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アイルランドで最もビッグなバンドであるU2が1988年にリリースしたライヴ・アルバムが「Rattle And Hum」です。そこでオープニングを飾ったのが、ポールが制作したこの作品の威圧感に満ちたカヴァーでした。

「これはチャールズ・マンソンビートルズから盗んだ曲だ」とU2のフロントマンであるボノは説明しています。彼は、「我々はそれを盗み返したんだ」と続けて語っています。この曲のいきさつについてはまた別の機会折に触れますが、この言葉で彼がカヴァーしたくなった気持ちがわかる気がしますね。
このアイルランドのバンドは、狂気の曲を陽気に演奏します。この曲は、連続殺人犯によって短期間自分勝手に使用されたのかもしれませんが、それが長く続くことはありませんでした。奪われた名曲をU2が見事に取り返してくれたのです。

 

 

4 オアシス「I Am The Walrus」

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90年代半ばのブリット・ポップ(1990年代にロンドンやマンチェスターを中心に発生したイギリスのポピュラー音楽ムーヴメント)は、栄光の60年代以来イギリスのギター・バンドにとって間違いなく最も輝かしい時代であり、その中でもマンチェスター出身のオアシスは群を抜く人気を得ていました。
ビートルズへのでき愛を公言してはばからない彼らは、ジョンが制作したサイケデリック・ロックの傑作「I Am The Walrus」を、その後の彼らのトレードマークになる図太く、パワーコードが炸裂するラウドなヴァージョンに変貌させてみせました。

5 ビル・ウィザーズ「Let It Be」

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不朽の名曲である「Let It Be」をビル・ウィザーズのようなヴォーカリストに歌わせれば、美しい作品ができることは間違いありません。ポールが亡き母の幻影を夢の中で見たというこの曲は、最も日常的にカヴァーされる曲のひとつとなりましたが、ウィザーズの滑らかなヴォーカルほどこの曲を正しく歌いこなしたアーティストは他にいないかもしれません。
ビートルズが最後にレコーディングした曲の一つで、タイトルにもなっているレコードからの引用ですが、ウィザーズは、幽玄なサウンドを増幅させ、このバラードをゴスペル風に変えています。タンバリン、ハンドクラップ、チャーチ・オルガン(パイプオルガンの音を電子オルガンで再現したもの)の力強いサウンドで、この曲は、ウィザーズの手によってまるで実像を見ているかのような感情を抱かせます*1

 

 

6 アース・ウィンド・アンド・ファイアー「Got to Get You Into My Life」

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オリジナルは、ビートルズのどの曲よりも優れたブラスアレンジメントを持っていました。そして、それはEWFによってまったく新しいレヴェルに引き上げられました。ここには、たくさんの喜びとダンスを踊るのにピッタリのアレンジがあります。

7 クロスビー、スティルス・アンド・ナッシュ「Blackbird」

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クロスビー、スティルス・アンド・ナッシュは、1960年代を中心に活動したアメリカのロックバンドです。彼らのアレンジは、オリジナルのアコースティック・ギターの弾き語りというスタイルはまったく変えていませんが、素晴らしいハーモニーを加えました。思わずウットリと聴き惚れてしまいます。

8 セント・ヴィンセントの「Dig A Pony」

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熟練したアーティスト兼ギタリスト、セント・ヴィンセントによる 2009 年のオール・ポインツ・ウェスト・フェスティヴァルのライブヴカットはとてもクールです。彼女は、このアコースティックな作品をエレキギターで見事に演奏し、このほのぼのとした曲をとてもワイルドなロック・スタイルにアレンジしました。

9 アレサ・フランクリン「Eleanor Rigby」

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アレサが歌詞を変え、主人公のエリナ・リグビーを自分に置き変えたのは驚くべきことです。女性シンガーならではの発想だったのかもしれません。しかし、彼女は、その大胆な試みをソウルフルなアレンジで素晴らしく仕上げました。あの荘厳ともいえるオーケストラの入ったオリジナルが、彼女のアレンジによって見事にソウルの名曲となったのです。

10 ジョー・コッカー「She Came In Through the Bathroom Window」

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またもやジョー・コッカーです。彼のハスキーで力強いヴォーカルはビートルズの楽曲にとてもよくフィットしています。ピアノ中心のシンプルなアレンジですが、それにより彼のヴォーカルが際立って聴こえます。

11 All My Loving(エイミー・ワインハウス

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エイミー・ワインハウスは、イギリスのソウルミュージック、ジャズ、R&Bのシンガーソングライターです。2004 年にBBC Threeでこの初期のビートルズの曲をカヴァーしました。ワインハウスは、アコースティックギター1本の演奏だけで、フュージョンっぽいアレンジに仕上げました。まるでジャズのスタンダードナンバーであるかのような美しい作品になっています。

 

12 マディソン・カニンガム(In My Life)

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マディソン・カニンガムは、アメリカのシンガー、ソングライター、ギタリストです。彼女の 2022 年のアルバム「Revealer」は、2023 年のグラミー賞最優秀フォークアルバム賞を受賞しました。彼女は、2021年にビートルズの名曲「In My Life」をマイク・ヴィオラとのデュエットでカヴァーしました。彼女のヴォーカルは優しくなおかつ力強く、この曲の持つノスタルジックな世界へ運んでくれます。

13 キャンディ・フリップ「Strawberry Fields Forever」

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1990年のアンダーグラウンド・レイヴ・シーン(1980年代後半から90年代にかけてイギリスで生まれたアンダーグラウンド・ムーブメントで、ダンス音楽を一晩中流す大規模な音楽イベントやパーティーのこと)から生まれたこのアシッドハウス(アナログシンセサイザーの変調効果を多用したエレクトロニック・ミュージック)なカヴァーは、UKシングル・チャートで3位を記録しました。

14 オーティス・レディング「Day Tripper」

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ジョージア出身の偉大なるソウル・シンガーは、この曲を心地良いホーンと彼独特の畳み掛けるヴォーカルでアレンジしてみせました。歌詞にかなり大胆に手を加え、ちょっと聴いただけではわからないほど、オリジナルとはかなり異なったソウルフルな作品に仕上がっています。オーティスは、ソウル・シンガーにしては珍しく積極的にロックをカヴァーし、ようやくソウル・ミュージシャンもロックの存在を認めるようになりました。

今回ご紹介したカヴァー曲はほんの一部です。ぜひ、皆さんも他のカヴァーを探してみてください。

(参照文献)USAトゥデイ、ユー・ディスカヴァーミュージック、ファー・アウト、アメリカン・ソングライター

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*1:ファーアウト