★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

ビートルズの楽曲をカヴァーした素晴らしい作品(443)

ビートルズをカヴァーしたレイ・チャールズ

1 カヴァーにも優れた作品が

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ビートルズのオリジナル曲が素晴らしいことは言うまでもありませんが、それを他のアーティストがカヴァーした作品の中にも優れたものが数多くあります。オリジナルが名曲だけに、どのアーティストもカヴァーしたくなると思いますが、逆にプレッシャーもかかりますよね。ヘタをすればオリジナルの良さを台無しにしてしまいますから。

世界的アーティストでビートルズが最も多くカヴァーされたアーティストというデータは残念ながら見当たりません。しかし、世界で最もカヴァーされた曲は「Yesterday」であることは明らかになっています。この曲には実に103曲ものカヴァー曲が存在しています(2023年10月現在)。レイ・チャールズマービン・ゲイエルヴィス・プレスリーディオンヌ・ワーウィックウェス・モンゴメリーフランク・シナトラなど、数々の一流アーティストがこの名曲をカヴァーしています*1

また、トム・ジョーンズ、ダイアナ・キングらがカバーした「Hey Jude」が54曲のカヴァー曲を持ち、2位にランクインしています。ビートルズがワンツーフィニッシュとは凄いですね。今回は、「ユー・ディスカヴァー・ミュージック」の記事からカヴァー作品の中の名作をご紹介します。

 

 

2 エスター・フィリップス「And I Love Him」

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ビートルズのカヴァー曲でお気に入りのものは?」と問われた時にポールが常に挙げるのが、彼が1964年に作曲した「And I Love Her」のエスター・フィリップスによるヴァージョンです。彼女は、女性シンガーであるためオリジナルの歌詞の性別を逆にしてカヴァーしています。1965年のTV番組「The Music of Lennon&McCartney」で彼女はこの曲を披露しましたが、それ以来ポールは、現在に至るまで彼女の素晴らしさを称えています。

3 レイ・チャールズ「Yesterday」「Eleanor Rigby」

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ビートルズは、アメリカのR&Bの大ファンで、彼らが有名になる前のセットリストにはリトル・リチャード、チャック・ベリー、アーサー・アレクサンダーなど、実に多くのアメリカの黒人アーティストによる作品が含まれていました。そうしたアーティストたちによって自分たちの楽曲がカヴァーされることは、60年代の彼らにとって非常にスリリングなことでした。彼らが愛してカヴァーしていたアーティストたちが、こぞって彼らのオリジナルをカヴァーしてくれたのですから、それは嬉しいですよね。

レイのカヴァーは、彼自身の素晴らしい才能を発揮してオリジナルにさらに磨きをかけています。中でも「Yesterday」と「Eleanor Rigby」は甲乙つけがたい素晴らしさです。

4 ウィルソン・ピケットHey Jude

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ビートルズの作品をカヴァーしたアメリカのR&Bのアーティストはまだまだいます。ウィルソン・ピケットによる1969年の「Hey Jude」は、既に完璧な作品に何ができるのかという意味でまさかの選曲でした。誰がこの名曲をカヴァーしても、オリジナルにはとてもかなわないだろうと思ってしまいますよね。

この曲のギタリストにピケットが起用したのは、当時まだ無名の若者だった名手デュアン・オールマンでした。そう、後に弟のグレッグ・オールマンとともにオールマン・ブラザーズ・バンドを結成して数々の名曲を制作し、1995年、ロックの殿堂入りを果たした伝説のバンドです。

ブラス・セクションが効いたアレンジに乗せてピケットがシャウトするこの極上の逸品に、デュアンのギターは最高のトッピングになっていました。エリック・クラプトンは、このレコードを聴いてノックアウトされたといわれています。彼は、近年、「今に至るまで、R&Bのレコードでこれ以上素晴らしいロック・ギターは聞いたことがない。これがベストだと思う」と述べているほどの素晴らしい作品です。

 

 

5 アル・グリーン「I Want To Hold Your Hand」

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グリーンがこの曲をレコーディングした当時、ビートルズは終焉期を迎えており、エドサリヴァンのテレビ番組出演の狂騒がまるで遠い過去であったかのように思える時代でした。しかし、グリーンのこのファンキー・ソウルが炸裂するヴァージョンによって、かつてビートルズ旋風を巻き起こした1曲は新たな生命を吹き込まれました。

6 ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス「Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band」

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アーティストにとって、同時代の名士に称賛を受ける以上に光栄なことはありません。1967年6月にジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスがロンドンのサヴィル・シアター(ビートルズのマネージャーであるブライアン・エプスタインが運営していた)で、当時リリースされたばかりのビートルズの「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のタイトル・トラックを演奏してみせた時がまさにそれでした。

ビートルズのメンバーたちが観ている中、シアトル出身のギタリストのなんとタイムリーで、自信に満ちていたことか。ポールが後に回想して語っています。「幕が開いて前の方に出てきたジミがオープニングで『Sgt. Pepper~』をプレイした。木曜日にリリースしたばかりなのに。あれほど光栄なことはなかった。僕は、彼のことを本当にスゴイと思っていたし、今になっても輝かしい思い出だ。彼は素晴らしかった」

 

 

7 ジョー・コッカー「With A Little Help From My Friends」

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ジョー・コッカーによるビートルズ1967年の作品のカヴァーは、世に出るまでにやや時間を要しました。しかし、それ以来最も記憶されているビートルズ・カヴァーの一つであり続けています。 コッカーの1968年リリースの「With A Little Help From My Friends」はイギリスのシングル・チャートで1位になり、ヴォーカルの彼のパフォーマンスは、翌年のあの伝説的なイベントであるウッドストック・コンサートのハイライトの一つでした。

80年代後半にヒットしたアメリカのドラマ「素晴らしき日々」のテーマ曲でも使用され、新しいリスナーを得ています。ポールは、コッカーのヴァージョンを初めて耳にした際に「衝撃的」だったと評価しています。オリジナルは、ほのぼのとしたイメージですが、これは、コッカーのハスキーで力強いヴォーカルでワイルドでパンチの効いた仕上がりになっています。

8 ブッカー・T&ザ・MG’s「Medley: Sun King/Mean Mr Mustard/Polythene Pam/She Came In Through The Bathroom Window/I Want You (She」s So Heavy)」

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メンフィスのスタックス(オーティス・レディング、サム&デイヴ、そしてルーファス・トーマスなどが在籍していた)は、ビートルズがとても気に入っていたレーベルだったことから、マネージャーのブライアン・エプスタインが後に「Revolver」としてリリースされることになるアルバムのレコーディング候補地として考えた場所です。そのアイデアが実現することはなかったのですが、スタックスへの彼らの愛は変わることはありませんでした。

多くの素晴らしいビートルズのカヴァーがこのレーベルからも生まれていますが、ビートルズのアルバム「Abbey Road」に魅了されて1970年にアルバムを丸ごとカヴァーしてしまったブッカー・T&ザ・MG’sの情熱を超えるものはないでしょう。マクレモア・アヴェニュー沿いに建つスタックスのスタジオの前で道路を横断してアルバム・ジャケットまでも再現しています。MG’sのこのアルバムのタイトルは「McLemore Avenue」です。相当な入れ込みようですね。

9 スティーヴィー・ワンダー「We Can Work It Out」

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スティーヴィー・ワンダーとポールは、1966年にロンドンのナイトクラブで初めて顔を合わせて意気投合しました。どちらも、二人の友情がその先どう育まれていくかは知る由もなかったでしょう。16年後に彼らはシングル「Ebony And Ivory」で大西洋を挟んだ英米でNo.1を喜び合い、そして2010年には、ワンダーがホワイトハウスでポールとオバマ大統領を前にビートルズの「We Can Work It Out」を超ファンキーにカヴァーしてみせました。

 

 

10 スージー・アンド・ザ・バンシーズ「Dear Prudence」

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80年代初頭、ビートルズは新しいリスナーを獲得し始めていましたが、同時に意外な方面からも注目されていました。筋金入りのパンク・バンド、 スージー・アンド・ザ・バンシーズです。1978年にアルバム「The Scream」で既にビートルズの「Helter Skelter」をカヴァーしたことがあった彼らが、1983年に再びレノン=マッカートニー作品を採り上げたのでした。

この作品は、ザ・キュアーロバート・スミスをギターに迎えてレコーディングされました。不気味なコード感を持った「Dear Prudence」は、イギリスのシングル・ヒットチャートで3位にまで上昇し、バンドにとって最大のヒットシングルになりました。

(続く)

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*1:ORICON NEWS