★ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ★

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログです。メンバーの生い立ちから解散に至るまでの様々なエピソードを交えながら、彼らがいかに偉大な存在であるかについてご紹介します。

ビートルズ、初めてプロのオーディションを受ける(234)

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1 ハリケーンズがナンバーワンバンドだった

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ジーン・ヴィンセントのコンサートでは、地元リヴァプールのロックバンドから前半のステージを務めていました。中でも最も光輝いていたのはハリケーンズです。リーダーのロリー・ストームは、ステージの上で飛び跳ねていました。おそらくこの頃が、彼らの絶頂期だったでしょう。

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しかし、彼のステージを見ていたジョージ・ハリスンは、「腕はオレたちの方が上だ。」と思っていたのです。バンドとしてロクな活動もできていなかったのに、何を根拠に彼がそう考えたのかは分かりません。

ただ、何となく既に手応えのようなものは、もう感じていたのかもしれません。これでドラマーが加わり、自分たちのギターとベースの腕さえ上げれば、ハリケーンズに勝てると予感したのでしょう。

そして、それが事実であることは、そう遠くない将来に証明されることとなりました。やがて、リヴァプールビートルズの人気がうなぎ登りになる一方で、ハリケーンズの人気は下降線をたどっていったのです。

2 ジョンがマネジメントを依頼

(1)ドラマーの世話までしてくれた

1960年5月初旬、ジョン・レノンがアラン・ウィリアムズにマネージャーに就任してもらうよう依頼しました。

ドラマーがいないというので、ウィリアムズが彼らの代わりにドラマーを探すことになりました。それでトミー・ムーアというドラマーを見つけてきてくれたのです。

いやはや、至れり尽くせりじゃないですか。こういう面も含めて、この頃のウィリアムズのビートルズへの貢献ぶりは相当なものでした。

ビートルズは、前身であるアマチュアバンドのクオリーメンの頃から、専属のベーシストとドラマーがなかなか見つからず苦労していたんです。スチュアート(スチュ)・サトクリフがベーシストとしてようやく参加したものの、相変わらずドラマーがいなかったため、ロックバンドとしての活動は休止状態でした。

まあ、ビートルズが一番ショボかった時期ですね(^_^;)あのモンスターバンドですらこんな時期があったんだと思うと、何だか微笑ましい気持ちになります。

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トミー・ムーア

(2)ドラマーは見つかったものの…

ムーアは、フォークリフトの運転手として勤務するかたわら、パートタイムとはいえ、プロのジャズドラマーとして働いていました。プロとしてのステージ経験はそれなりに積んでいたので、その当時の彼の腕は、ビートルズのメンバーより上でした。

ハリケーンズは、すでにバリバリのプロとしてリヴァプールのクラブで演奏していましたが、ビートルズは、ドラマーがいないため、そもそも人前で演奏すること自体ができず、バンドとしての存続の危機にさえありました。

ベース初心者のスチュアートはいうに及ばず、ジョン、ポール・マッカートニー、ジョージのギターの腕もまだまだでした。ただ、その時点でもジョンとポールのヴォーカルだけは抜きん出て素晴らしく、これで演奏さえできればステージに立てるレヴェルにはあったのです。

しかし、ムーアをメンバーに加えるのは、そう簡単なことではありませんでした。というのも、彼は、工場で地道に働いていた労働者で、あくまでもドラマーは副業に過ぎなかったのです。しかも、年齢もビートルズよりずっと年上の29歳で、今更、青二才の学生バンドと組んでオーディションを受けようなどという気はなかったのです。

どうにかこうにかウィリアムズが彼を説得して、何とかオーディションを受けることを引き受けてくれました。こんなエピソードに触れるとウィリアムズって、なかなか男気があって、面倒見のいい男じゃないかって思いますね。まだ海のものとも山のものともつかない学生バンドのために、一生懸命頑張ってくれたんですから。 

ここへ来てビートルズは、ドラマー不在という最大の弱点も補強でき、ようやくステージに立てることになりました。

 

3 オーディションの開催が迫っていた

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ビリー・フューリー

そもそもドラマーがおらずステージに立つこともままならない状態だったのに、ジョンがウィリアムズにマネージャーを依頼したのには理由がありました。もちろん、ビートルズが音楽活動に専念したいがために、マネジメントの役割を引き受けてくれる人が必要だったという事情が背景にあります。

しかし、なぜ、この1960年5月初旬というタイミングだったかというと、同じ月の10日にポップミュージシャンのバックバンドを選考するオーディションがあったからです。

ジーン・ヴィセントのリヴァプールにおけるコンサートが大成功を収めたことに気をよくしたプロモーターのラリー・パーンズは、ウィリアムズを信頼し、自分がマネジメントしている別のミュージシャンのコンサートも彼にプロモートさせようと考えました。ビリー・フューリーという歌手でしたが、ヴォーカルが専門なのでバックバンドが必要でした。

そこで、地元のロックバンドから彼のバックバンドが務められるバンドをスカウトするために、オーディションが開催されることになったのです。これに合格すれば、プロミュージシャンとして認められるだけでなく、さらにメジャーデビューへの道が開ける可能性があったのです。

 

4 息を吹き替えしたビートルズ

(1)オーディションを受けたい!

バンドとしての活動を休止して意気消沈していたビートルズでしたが、オーディションの話を聞いて急に色めき立ちました。正直言ってビートルズは、フューリーを大したミュージシャンではないと思っていたのです。

実際、この頃の彼は、チャート20位以内にはランクインしていたものの、ナンバーワンを取るところまでは売れていませんでした。とはいえ、当時のポップスターであったことには間違いありません。その後、1961年になって、ようやく彼にとって最大のヒット曲「Jealousy」でチャート2位を獲得しました。 

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そんな彼でしたが、オーディションをやってくれるというのです。ビートルズの目の色が変わったのも当然でしょう。

ビートルズは、この日のためになけなしのお金をはたいて衣装を揃えました。しかし、彼らは、あくまでまだ学生だったので、学校をズル休みしてオーディションに参加したのです。

オーディションは、5月10日に開催されました。参加したのは、ローカルバンドとはいえプロミュージシャンばかりで、アマチュアバンドはビートルズだけでした。プロばかりが集まっている会場で、青二才の学生バンドがウロウロしていたんですから「何だ、こいつらは?」という感じだったでしょう。

 

(2)オーディションを受けた時のバンド名

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キャス&カサノヴァズ

オーディションに参加していた「キャス&カサノヴァズ」というバンドのリーダーだったブライアン・キャサーが、彼らのバンド名を聞いて「何だ、そのビートルズとかいうヘンテコな名前は?オレがもっといい名前を考えてやる。」と言って「ロング・ジョン・&・〇△$%……」という名前を付けてくれました。っていうか、別に頼んでもいなかったんですけどね(^_^;)

何でバンド名の後半がはっきりしないのかというと、メンバーによって記憶がまちまちだからです。先輩のバンドに勝手に付けられた名前で、このオーディションの時にしか使いませんでした。彼らにとっては記憶にすら残っていない、どうでもいい名前だったんです。 

このエピソードが示す通り、この頃のバンド名は「〇〇&△△ズ」という風につけるのが一般的でした。このことは後々に重要な意味を持ちますから、また稿を改めてお話ししたいと思いますが、バンド名からも分かるとおり、この頃は、一人のリーダーが中心で、後はそのバックバンドというのが常識でした。ビートルズのように4人が対等な立場で役割を担当するというバンドは、まだ珍しかったのです。

当時、フューリーはすでにポップスターでしたが、リヴァプール出身でしかも小学生の時はリンゴと同じクラスでした。彼ももちろんパーンズとともに審査員に加わりました。リヴァプールのバンドたちは何とか彼らの目に止まろうと、必死にパフォーマンスを繰り広げました。

しかし、ハリケーンズは、このオーディションには参加しませんでした。彼らは、すでにリヴァプールでトップのロックバンドの地位を確立しており、すでにヴィンセントと同じステージを務めた経験がありましたから、今更、格下のフューリーのオーディションを受ける気にはならなかったのでしょう。それにガトリン休暇村という場所で夏に開催されるコンサートも控えていたため辞退しました。

ただ、フューリーには会いたかったので会場へ行って彼に挨拶もしました。

(参照文献)TUNE IN

(続く)

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